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あの頃僕らが読み漁った傍観腐男子主人公(ただし前世は腐女子)「BLゲームの主人公の弟であることに気がつきました (ビーズログ文庫アリス) 花果 唯」

あらすじ

超フラグ乱立&スチル祭り! 腐女子が転生したのはBLゲームの世界!?

男子高校生・天地央は気がついた。ここが前世の自分=腐女子が愛したBLゲームのクリア後の世界で、しかも主人公の弟に転生したことに!
兄の情事を覗けると喜ぶも、失恋した攻略キャラ達のその後(アフター)も気になる!

彼らの新しい恋(ただしBLに限る)を見守ることこそが我が使命! と燃える央……だが気づけばクーデレな新キャラ相手にイベント発生??
生BLを拝めるご褒美ポジが一転、メインキャラに昇格!!? って、どうなる、元腐女子な僕の転生ライフ!

これ昔良く見たパターンだ!!

BL好きな主人公が自分のそばにいる生身の人間でカップリング作って楽しんでいたら、観察のために距離を詰めていたために彼らに惚れられ攻略されかけ、でも必死で「自分は観察したいだけ! 自分は攻略対象じゃない! お前とお前でくっつけ!」という物語、一時期よく見たぞ。オリジBLサイトで平凡腐男子受けってあったやつだ!!! めっちゃお世話になりました!!!
などということを読んでる最中に気づき懐かしくなった物語。
また、余談なんだけどWeb小説の書籍化なんだけど1巻できっちりまとまっていて、ちゃんと終盤に山場があって読みやすかった。山場なしになし崩しに終わるのあるからね……。

物語の主人公は、前世はBLゲーをプレイしまくっていた腐女子。ひょんなことから死に、兄とその親友がマジで致す5秒前のシーンを見た瞬間に前世で見たスチルが蘇り記憶を取り戻し――といったパターン。
ゲームでの発生イベント的に、この状況はすでに親友ルート突入済みで今の映像はほぼエンディング間近状態。親友ルート確定の現在、では他の攻略対象は? と主人公は他のキャラがどうなっているか気にしだす。

これ気持ちがちょっとわかる。
ゲームや小説の複数ヒロインモノってどうしてもメインから外れたキャラはその後出番が薄くなったり可愛いところや格好いいところの露出が減っちゃうんだよね。メインじゃないから当然と言えば当然なんだけど。その後彼らがどうしているか気にならないと言えば嘘になる。
そして見に行くことが出来るとなれば、見に行ったとしてもおかしくない。

そういう意味ではこれ、ゲームの世界にトリップというギミックをうまく使っている。
主人公は発生イベントを知っているからこそ、もう兄と親友がくっついたと理解できたし、これから先どうなるかはわからない。なおかつ攻略キャラのその後がきになるからという理由で彼等に接近していくのも理解できる。面白い。

 

失恋している人の相談に乗ると惚れられやすいみたいな嘘か真かか怪しすぎるネタもあるけれども、完全に主人公の立場はその状態。
失恋した攻略キャラたちが、好きだった相手の顔に似た相手に優しくされたらなんとなくくらっと来てしまう。例えば小悪魔系な受けや、前髪で顔があまり見えないが見えたらイケメンのヤンデレ用務員たち。彼らは主人公に優しくされて悩みを聞いてもらい徐々に主人公が好きになっていく。

とはいえ主人公は腐女子メンタル持ちとはいえ好きな相手は女子であり、出来ることなら女とイチャイチャしたい。そしてプレイしていたゲームでは彼ら(攻略対象キャラ)が好きなのは兄貴であって自分ではない。
なので自分は完全傍観者ポジション、最高の位置で彼らを眺めていられる! 出来ることなら用務員×小悪魔受けも見たい!!!などと、完全に彼らの恋心を範疇外にしてしまっている。

この微妙な鈍さ、普通の話だったらいらっとするけど、まあ性的対象が女かつ自分は主人公ではないと思っているならしょうがないかなと思えてしまった。
でも途中で「男好きなんじゃなく兄だから好きなんじゃないのか」みたいな発言を主人公がしちゃってるけど、これってもう完全にフラグだよね。

 

地味に気になってたんだけど、少女小説系でこういうTSFモノってどうなるんだろう。
主人公は一人称僕でメンタル的にもスキル的にもBLゲー関連以外はまったくもって普通の少年だから、腐男子と見たほうがいいのかな。『101メートル離れた恋』の感想では主人公の思考やメンタルは割と少年めと書いたけれど、これは逆に(逆か?)主人公のメンタルは少年に寄っている気がする。

つい先日、百合は百合レーベル以外でも出るけれど、BLはBLレーベル以外にあんまり見ないよねという話をした(フォロワーさんより昔の少女小説はBLもあったと教えていただいた)。この場合、主人公が男キャラとくっついたら、この小説はBLになるのか男女になるのかどっちなんだろう?

余談なんだけど、メンタルが完全に少年で前世に身に着けたスキルを利用するでもなくOLメンタルが欠片もない主人公のおかげで、年齢!年齢!年下に手を出す倫理!とキレずに済んだ。

ラストの畳み掛け真実がめちゃめちゃおもしろかった

とはいえ、主人公はゲームの主人公の弟キャラだ。くっつくのは物語転生系あるあるバグだけどね!と思っていたら、終盤の流れにめちゃくちゃ驚いたしサイコーに面白かった。

実はゲームは続編が出ていて、続編の主人公はまさかの前作主人公の弟、つまり自分。だからこんなにも様々なキャラが寄ってきたのだ、とわかる。

納得した。すごい納得した。
ゲームではあんまりないけど、BL漫画やBL小説でシリーズ化するようなやつって、だいたい主人公の当て馬だったキャラに別のキャラがくっついて~みたいなパターンあるじゃん。あれだった。完全にあれだった。納得した。
思い出すと少女小説でそういうスピンオフはあんまりないよね。なるほどBLならではというかなんというか。 この事実がわかった瞬間にそういうことか~~~~!とめちゃくちゃ納得してしまった。

そして、その事実を教えてくれたクラスメイトの白兎さん、彼女も転生者だった。
前世は腐女子の姉に強制的にBLトークをされたせいでプレイしていないゲームなのに中身を覚えてしまった弟だった。ああ……。ご愁傷様です……。
姉のせいでBL嫌いになった彼女(彼?)の目的は、自分の弟がBL空間に巻き込まれないこと。そのためには主人公(続編主人公)から遠ざけ、フラグを叩き折り、なにかあったら腕力で解決しようと体も鍛えていた。これぞセコム。こないだ読んだ本じゃないけど、正しくセコム。『乙女ゲームの世界でヒロインの姉としてフラグを折っています。』の主人公と同じポジション。
こういう女子すげーーーー好き。強い……格好いい……好き……。

前世では男だったというけれども一人称もわたし固定だしそれ以外も諸々普通に女子だよね。そこも含めてめっちゃ好き。
そして彼女が出てくることで、主人公誰とくっつくんだ問題もかなり彼女を推し始めた。前世でBL大好き腐女子で現在男子と、前世で姉のせいでBL大嫌いになった男子で現在女子。普通に有り得るカップルなんじゃないのかな。転生者同士っていうのも面白いし。

先がどうなるのか続き読みたいなと検索したら、おそらくこれ残念ながら続刊なしっぽい。
続刊を調べている最中に気づいたけれど、この本『多分僕が勇者だけど彼女が怖いから黙っていようと思う』の人のなんだ!?あれめっちゃ面白かったし良い幼馴染だったし、この本も良い幼馴染だった。続刊なしは残念だな。
仕方がないから続きはWebで読もう