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ハイスペック幼馴染同士の両片思いラブコメ超可愛い「命じて!服従フロイライン (ファミ通文庫) 庄司卓」

あらすじ

ツンデレ×完全服従!?
「あたしに命令しなさいよっ!!」

玖鈴梅花は苛立っていた。科学マニアな幼なじみ・健児の事が気になって仕方がないのだ。
ある時彼に奇跡的なモテ期が訪れたために、自分の恋心をイッキに自覚してしまう!!
勢いで告白、初デートと、朴念仁な健児をよそに恋は順調に空回っていたが――その矢先、なんと梅花は事故で命を落としてしまう。
兄妹同然で育ってきた梅花のため、健児は秘密の実験成果を活用。
生き返った梅花は、何かが……ヘン?

闇の技術も恋のスパイス!?なミラクルラブコメ!!

ハイスペック幼馴染同士の両片思いラブコメ超可愛い

ツンデレ金髪クォーター運動神経バツグンヒロインという、要素盛り盛りてんこもり、あれもこれも積み上げたようなキャラは、それはそれで良いものだ。
そして、主人公もそれに釣り合うだけのキャラなのが本当に良い。美少女が何故か僕に惚れてくれるタイプも良いけれど、周囲が「あー……あの二人だったら最高に釣り合っているわ、この二人だったら付き合っていてもしょうがない、釣り合いが完全に取れてるわ」と思うようなカップルって、読んでて安心感があってなんだか良い。

作中で、主人公はメガネが壊れてしまったためにノーメガネでバレーをすることになる。メガネを外した素顔は存外にイケメン。もともと二枚目の男が格好良いというのは普通だが、メガネをした男がそれを外したらイケメンというのは話題になる。
という流れで女子ファンが出来て言い寄られる主人公と、それにもやもやするヒロインのやり取りがもー超可愛い。

「じゃあさ、彼女ならいい? 彼女! 私、彼女に立候補する!!」
「あ~~、抜け駆け! ずるい、ずるい!!」
「あのさぁ……」
 盛り上がる女子生徒たちに、健児がうんざりとした顔をしたその時だ。
「芸能人でも彼女でも何でも好きにしたらいいじゃないの」
 思いっきり棘のある声だ。
     (中略)
「なに怒ってるんだよ?」
 素直にそんな疑問が口をついて出てしまった。それが梅花の逆鱗に触れる。
 無言のまま梅花は右手を振り上げた。
 ぱぁーんという、乾いた小気味いい音が響き渡る。
「あんたなんか幸せになっちゃえばいいのよ!!」
 健児の顔を思いっきり平手打ちした挙げ句、梅花はそんな訳のわからない捨て台詞を残して、校門から外へ出ていってしまった。
 一瞬、周囲は静まり返ったが、集まっていた女子生徒たちはすぐさま歓声をあげる。
「うわ、びっくりびっくり! あれが噂のツンデレ?」
「荒城くんと玖鈴さんか。悔しいけど、お似合いね。美男美女のカップルだし」
「でも今の様子じゃ付き合ってる感じじゃないでしょ? 玖鈴さんのファンクラブも作るべきでしょう」
「あれ、男子の中でそんなこと言ってる奴いなかった?」

この流れがホント好き!
暴力ヒロインは普段はあまり好きじゃないのでそこは置いとくとしても、ヒロインが主人公に対して叫んだ言葉が恋心からであると周囲が完全に理解し、あーこの二人だったらしょうがないな、と思ってしまうような関係が一瞬でわかるような二人、本当に可愛い。

はっきりモブキャラたちが美男美女のカップルと言っているように、完全に釣り合いが取れていて、傍から見ていても全然違和感のない幼馴染カップル(かつ両片思い)。
当然周囲のキャラたちも応援するし、二人をくっつこうと動く。でも本人たちは自覚もあやふやだしある程度自覚してからも動きが鈍い。

あーもうじれったい。じれったくて可愛い。可愛いし、早く結婚しろ。
周囲は完全に夫婦扱いしているし、本人たちも相手が大好きでたまらないんだから、もうさっさと結婚しろ。

 

作中ではサブヒロインな立場の少女がもうひとりいる。彼女も主人公に対して矢印を向けているけれども、周囲の人たちは軽く察してはいるけれども応援するのはメインヒロインばかり。
この微妙さや、サブヒロインが将来的に可愛そうなことになりそうな、でも頑張ってくれそうなポジションなのがすごく良い。それでもくっつく相手は確実にヒロインになりそうなあたりも。

三角関係はその後のギスギスが嫌だから、このあたりはなんとかなってほしいなあ。

ヒロインが死ぬまでが長すぎる

Amazonあらすじにすらはっきりと書かれている『その矢先、なんと梅花は事故で命を落としてしまう』。
タイトルにもなっている『服従』はこれに関連していて、主人公が生き返らせたため主人公の命令に絶対服従となる。……となるのだけれども、そこまでたどり着くまでがとても遠い。あらすじに書いてあるのにとても遠い。

まずヒロインが死ぬのが開始から2/3。遠い。
なんかおかしいぞと思うまで更にもう数十ページ。遠い。
諸々発覚するころには4/5ぐらいかもうちょっと行っている。遠い。

なんかもう、あらすじに書いてある内容がほぼ1巻のメインの見どころになっちゃってるんだよね。おかげであらすじ+タイトルで想像するような『主人公の命令でえっちなハプニングが!』や、『主人公のえっちな命令であんなことやこんなことが!』は全く存在しない。ほぼ全くレベルではなく全く存在しない。
まず主人公が、自分が命令したらヒロインがそれに絶対服従!と気づくのがとても遅いので、その能力を実際に使ってみるタイミングがあまりに遠いからやりようがない。

つまり、1巻丸々壮大なプロローグ(もしくはヒロインが死ぬ前にどれだけ二人がラブイチャ両片思いか見せるための前フリ)だった。

 

ハイスペック幼馴染の両片思い(周囲は完全に夫婦扱い)はツボったのだけれども、楽しみにしている部分までがあまりに遠かった。
とはいえ面白かったので早く続きが読みたい。ツンデレ最強幼馴染は良いものだ。