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脳筋令嬢は後宮でも剣と拳を振るい続ける「武姫の後宮物語2 (カドカワBOOKS) 筧千里」

あらすじ

朝は鍛練、昼も鍛練、夜は愚帝を演じる皇帝と軍会議。
そんな充実した後宮生活を送っていたヘレナに、弟子入りする姫が現れた。

新兵訓練場と化す中庭、増える弟子、張り切るヘレナ。全てが順調に思えたのだが…。

鍛え上げられたヘレナの二の腕。
それを見た皇帝の一言が、彼女の心を抉る。傷心したヘレナは見当違いの努力を重ね、むしろ皇帝とすれ違ってしまい…?

28歳、侯爵令嬢(脳筋)。年下皇帝相手に恋を知る!?

かわいい(厄介な)弟子が3人増えたぞ!

ひょんなことからかわいい(厄介な)弟子が3人増えた主人公。
前の巻のラストで《星天姫》マリエルがヅカ的な方向性で主人公に心臓打ち抜かれていたのでなんとなく察していたものの、残りの2人は完全に予想外だったなあ。

熊とも猪ともつかない凶相の将軍に惚れてるフランがめちゃくちゃにかわいい。
殿下のお通りに対してひたすら他の男の話をし続けるその胆力や、相手にふさわしい人間になろうと自らを鍛えるメンタル。どれもこれもが強い。強すぎる。恋する乙女は強い。
彼女の友人たる少女もそれに呆れつつ付き合ってるから本当に良い子なんだろうな。

こういう話ってツッコミ役がいないとひたすらボケしかいなくてやばいことになるが、ここで侍女に加えてフランの友人というツッコミ役が入ってくれてよかった。本当に良かった。

そしてもうひとりの恋(?)する乙女であるマリエルがかわい……かわいい……のかなあ……?
ともかく主人公がこういったタイプに免疫があり、他の人にも大量にお姉さまと呼ばれており、こういうタイプを気持ち悪いと思いつつも目をかけてやれる人で良かった。良かった……のかなあ……?

殿下に太いと言われてショックを受ける主人公

殿下に「腕が太い」と言われて人並みにショックを受ける主人公がもーめちゃくちゃに可愛かった……。
確かに空腹が原因の一端とはいえ、他人に腕が太いと言われたら喜びそうな主人公が! 筋肉のおかげだと思い込みそうな主人公が! 落ち込んでいるのが! もうめちゃくちゃに可愛くて!!

「……硬いな」
「……はい?」
「いや、随分鍛えておるのだな。さすがは武人といったところか。余とは鍛え方が全く違う」
「そ、そうでしょうか」
「うむ、太い」
 ファルマスに、おそらく悪気はなかったのだろう。
 だが、その一言は、ヘレナに衝撃を走らせた。
 おそらくその言葉は、女子に決して言ってはいけない言葉のワーストワン。
 そしてヘレナもまた、女子なのだ。武人であるということを気にしなければ、女子なのだ。

殿下以外の人に言われたら絶対うれしいでしょ!? 鍛えている+太いで褒め言葉にしか聞こえないでしょ!?
なのに殿下に言われたらショック受けるって、それってもう恋じゃん~~~~。

好きな人には好意を持たれていたい、可愛く思われたいとでもいうような心情がものすごく可愛かった。しかも主人公自身は全く無自覚なのがなおさらに可愛さに拍車をかける……。
28ってこれってやもすればうぜえと言われそうなキャラなんだけど、それまでいたるところで『主人公は脳筋です』『主人公が興味を持つのは戦闘力です』『主人公は馬鹿です』と示されていれば、自分の恋心に気付かなくてもそうだろうねと思ってしまうから面白い。
キャラの作りがうまいんだよなー……。

殿下の年下好きの発覚とヤバそうな過去をバラす母

母ーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!
他人に話して良いことと悪いことがあるうちの悪いことのほうをバラす母ーーーーーーーーーーーー!!!!!

殿下が前回「当たらずとも遠からず」と言っていた通り、年上趣味という言葉は実際さほど遠くなかったんだな……。

殿下の好みの女性は、自分にないものを持っている人。例えば知力だったり体力だっったり。
まだ幼い頃の殿下から見れば、自分より年上の、たとえば家庭教師ならば自分より知力が上に見えるし、メイドさんでも自分より体力が上に見えるから憧れと恋の対象だった。
しかし現在。
大量の書類をさばき、国のために暗愚を装える殿下。あるていど筋肉もある殿下。彼より何かしらで上の女性はそうそういない――そこへ現れるは主人公。筋肉武力戦力すべてにおいて殿下より上の主人公(頭は残念だが)。
そりゃあ惚れるよなーーーーー!!! しかも自分の考えてることを理解していると勘違いしてるからなおさら惚れるよなーーーーー!!

実際主人公は脳筋(自覚済み)なんだけど、これがわかった時の殿下の反応はどうなるんだろう。
彼女はひたすら「なるほど」とわかった面して頷いてるだけで、その実なにひとつわかっていない。とりあえずこういう顔して頷いとけと体に染み付いているだけで、何一つとして理解はしていない。 ……どうにもならない気がする。主人公の頭脳に惚れたんじゃないもんな。

というか、今回の巻で主人公が美人だとわかったのが驚きだった。お前……美人だったのか……。
他のキャラがあまりにも主人公の外見について何も言わないのは、主人公の筋トレ的な内面が問題なんじゃないのかな……。

だが主人公の血縁も怖い

という殿下の過去のやばい話をぶちまけてくる殿下母とはまた別に、主人公の妹たちもまたやばかった。
出会い頭に主人公と格闘バトルかましてくる妹ってなに。現在本文中で主人公がひたすら強くてやばいと表現されている現状で、主人公に勝てないとはいえかなり良い勝負をしそうな妹たちってなに。 兄貴もアレだし、そういうやばい家系なんだろうな……。

なんで少女小説ってちょくちょく夜会とダンス練習があるんだろう

ってふと思った。

理屈はわかる。
普段は絶対に着飾らなそうな主人公の着飾った姿が出せる、いきなり後宮入(など、とにかくダンスに慣れていない状況)な主人公がダンスがうまくできない状況で相手役としてヒーローを出せる、普段より密着する状況に胸が高鳴るシーンが必要。

理屈はわかるけどいつもダンスパーティなのでそろそろ飽きてきた。正直「またかよ」と思う。
美味しいラーメンもいつも食ってると飽きる。