日々放置プレイ

読んだ本と見た舞台の感想

裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル (ハヤカワ文庫JA)宮澤 伊織

仁科鳥子と出逢ったのは〈裏側〉で“あれ”を目にして死にかけていたときだった――その日を境に、くたびれた女子大生・紙越空魚の人生は一変する。「くねくね」や「八尺様」など実話怪談として語られる危険な存在が出現する、この現実と隣合わせで謎だらけの裏世界。研究とお金稼ぎ、そして大切な人を探すため、鳥子と空魚は非日常へと足を踏み入れる――気鋭のエンタメSF作家が贈る、女子ふたり怪異探検サバイバル!

 ネットロア、異世界、百合。
 ネットロアに銃器で立ち向かう百合SFホラー小説。

 面白かったー。あんまりネットロアに詳しくないわたしでも知ってるようなものが多くてすごく面白かった。こういうのは、知らなくても楽しめる、元ネタを知っているともっと楽しめるっていうのが一番良いけどまさしくそれ。
 出てきたネタは、くねくねや八尺様、猿夢。きさらぎ駅など。洒落怖スレなんかを見て無くともなんとなくネットを漂っていると知ってるというネタが多いんじゃないかな(とくにきさらぎ駅なんか定期的にツイッターでも話題に上がるし)。

 偶然ネットロアの存在する世界に潜り込むようになっちゃった主人公空魚が、そちらの世界で出会った美少女鳥子とともに、鳥子の知り合いでこちらの世界で行方不明になった女性を探すのがお話のメイン。とはいえ、そちらがわの世界にはそれこそくねくねのようなアレな生き物が沢山いる。
 普通のそれこそネットロアなんかじゃああれらに対抗する手段はない。だがこの話では対抗手段が存在する。銃で撃つ。まじかよ。クロックタワーかよ。
 さすがにただドンパチ撃つだけじゃなくて相手の弱点を狙って撃つだとか、相手に有効打をあたえられるタイミングで撃つだとかあるけど、基本は撃つ。まじかよ。

 一緒にいるうちに空魚が鳥子に対して自分だけのものみたいな独占欲を持っていく過程が見ていてとてもにやにやした。相手には唯一がいるかもしれないと気付いてぎりぎりとし始めたり、自分だけを見てほしいと思ったり。八尺様に連れて行かれかけるときに見えたのが鳥子の時点でこの子もう……とは思っていたけれども、もうかなり鳥子にずぶずぶだった。
 次第に惹かれていくけれども相手には大事な人がいて自分はその立場には絶対立てないっていうの、すごく好きなので読んでいてとてもにやにやした。

 百合って言っちゃっていいのかなって最初ちょっと迷ったけれど、作者さんが

はい。これが俺の考える百合だ、読んでくれという気持ちです。

 って言ってるのでわたしも言う。これは最高に百合だ。

異世界、怪談、強い百合。『裏世界ピクニック』宮澤伊織インタビュウ | SF MAGAZINE RADAR | SFマガジン | cakes(ケイクス)

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