日々放置プレイ

読んだ本と見た舞台の感想

さよならソルシエ(DVD)

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【あらすじ】
舞台は19世紀末のパリ。
兄と弟、二人のゴッホの確執と宿命、そして絆を描いた奇跡と感動の物語。
生前、1枚しか売れなかったゴッホが、なぜ現代では炎の画家として世界的に有名になったのか…。
その陰には実の弟・テオの奇抜な策略と野望があった!

見た人

  • 事前に出ていた稽古場動画は一応見た(既に削除済みっぽい?)
  • 一応平野さんも良知さんも生で見たこと有る。歌うまいよね(ボーイバンドとシャーロック2)
  • ゴッホとかそのあたりについてはなんにも知らない。ゴッホはひまわりしか知らないし兄弟がいたのもこれを見て知った。
  • 原作を知らない

感想

 あーーーーーこれやばいやつだ。何がやばいって歌がやばいやつだ。ダイジェスト動画の歌がすでにやばいんだけど、作中の歌がさらにやばい。歌唱力が半端ない。これはやばい。六本木ブルーシアターよりもっと音の良い場所でやろうよ。歌本当に良いよ。歌がすごい。

 曲調は、なんとなくだけれど韓国ミュージカルを連想させた。というか、シャーロック2を連想させた。

morelovelike.hateblo.jp

一番最初の曲がかなり雰囲気がそんなかんじ。あと途中に入っている曲もそれに近い。うまくいえないけど、あの系統だよねー、というタイプ(シャーロック2めちゃくちゃ好きなので褒め言葉です)。もしくは東宝かなー、とにかくあの系統。橋本さとしさんに歌ってほしい。それは別のゴッホかな。
 また、メインの二人がめちゃくちゃ歌がうまいので、聞いていて心配も不快感もなにもなく、とにかくやべーーーーーーーすげーーーーーーーばっかり言うことになる。とにかく歌がうまい。この二人だけじゃなくてソロパートがある方がだいたいうまくて、デュエットだのなんだのでも不協和音がない。
 最初に原作:と出たので、一応カテゴリ的には2.5次元ミュージカルになるんだろうか? 

 話自体は、兄の絵の才能を心から尊敬しつつも羨んでいる弟と、絵のことが大好きで天才故に色々とちょっとずれている兄の物語。画商である弟が絵を売ることに関して大手を裏切ることをしたおかげで兄がゴタゴタに巻き込まれる。
 そして、弟は兄の人生の物語を作ることを戯曲家に頼む。『とある奇妙な人生を生き抜いた男の絵』として売るために。

物語

 ものを売るためにはそれにまつわる物語を出していくのが良い、というのを思い出した。

 ごくごく普通に生きた、しかし絵は天才だった男の絵を売るために、彼の生涯を数奇な物語にした。実態と違う、炎の画家というものを作り上げた。
 見てて、もう愛だなと……。兄の描き出す絵への愛、兄自体への愛。その全てをもって、兄の救いだった(とテオが思っている)絵をひと目につかせるために沢山売ろうとする。価値を得させようとする。テオ、ほんと兄さんのことが好きだし、兄の絵のことを好きで、だからこそ兄があんなにも簡単に絵を他人にあげようとしちゃうの許せないし、自分も絵を描きたかったけど目の前にいる天才のせいで描こうとは思えなかったんだろうな……。見ててきつい。

 フィンセントが扉を塞ぐための絵を選んでいる、自分が選ぶよとテオが言ってからのくだり、今までただただ兄のことを慕っていた弟だったテオの嫉妬が描き出されてぞっとした。テオの声音の変わり方すごいでしょう……。怖い。
 手と絵にべったりとついた血、血があれだけ流れるぐらいまで嫉妬というにいえない感情で殴りつけてたんだろうなと思うと。今までどんな思いで兄の絵を見てきたんだろうと思う。兄の絵が好きという気持ちのが大半だろうけれども。
 それまでがずっと兄のことを褒めたり兄の絵について言及したりというシーンばかりだったから、ここでの嫉妬の発露と激高、それでも兄と観客に激高の表情を見せない演出がぞっとした。

 最後の最後、それだけ兄のことを大好きだった弟ならば死ぬのが当然では? と自らの死すらも兄のためにまた使おうとしたフィンセントも恐ろしかった。兄が絵を描き出す、生きている兄のためだけのものではなく、死んだ兄のことすらもそこまで大事にするのかよ。

 この時代のことはほぼ全くレベルで知らないのだけれども、アカデミーやべえなと思いました(小並感)。
 物語のタイトルでもある『ソルシエ』って、きっとテオのことなんだろうな。才能だけは有り余っているが人生はあまりに平凡で、どこにでもいるような兄。彼を炎の画家としたのは、弟であるテオの策略であり、彼の魔法だった。

キャスト

 歌唱力……。歌で殴りかかってくる舞台だ……。
 特にメイン二人を中心として、出てらっしゃる方皆歌がうまいので聞いてて安心できるキャスト陣ばかりだった。
 テオとフィンセントは当然なんだけど、ジェローム! 悪役のジェローム、歌唱力すごい。キャストさんの確認すらしてないので(というか主役2人のキャストさんしか確認してない)どなたなのかわからないのだけど、歌が圧倒的に旨かった。いろっぺーし極悪人だし歌うまいしなんなのこの人。
 前述の通りテオとフィンセントもすごい。デュエット部分で耳に痛いこともなく、二人の声が綺麗に溶け合っていた。声の相性も良いんだろうなー。
 合唱部分となるとちょっと一部あまりうまくないかもなーって方が混ざるのですが、どなたなのかちょっとわからなかった。画家4人の誰かかな?
 会場に行かない身で言うのもアレだけど、このメンバーでこの歌唱力でブルーシアターは勿体無い。あそこ場所によって歌の聞こえる聞こえないが微妙だったような気がする。これもうちょっと良い場所でやってくれても良いんじゃないの。女海賊ビアンカのときも思ったけどミュージカルは音が良い会場でやってくれー。

 テオ・良知さんのビジュアル。
 公式サイトのトップ画像が原作のイラストとこの舞台のビジュアルが切り替わるのでそれを見てたのですが、原作よりも舞台のほうが宝塚の男役とかそういうのっぽいなと。目元のメイクが濃いことや、帽子のあたり、顔立ちからも連想したのかもしれないけれど。
 とか考えてたけど、多分音月さんと踊ってるこれからの連想だわ。音月さん=宝塚男役トップスターなので、それと似ている→宝塚男役っぽいという印象だと思う。

 これの1:45あたりから良知くんと音月さんのデュエットや二人でのダンスが入るのだけれど、ここのビジュアルが似ていると思ったんだ。

DVDについて

 カメラアングルが良かった! 音質も良かった! 音が良いので耳に優しい! カメラアングルが良いのでここが見たいみたいな部分がちゃんと映っている!!!
 舞台って、劇場に行けば自分の推し定点カメラも出来るし見たい部分だけ見るということも出来る、メイン以外のキャストさんも基本的にはずっと演技をし続けている(舞台慣れしてない人は止まったりするけど)というのがテレビ番組と違うとこだと思う。だからここが見たい! ここが見たかった! みたいなのはちょっとあるけれども、基本的にメインの人をカメラが追っかけていて、なおかつここは引いたほうがと思うような場所ではだいたい引きで映してくれるのでとても見やすかった。

 たまに見づらい舞台DVDもあるけれど、カット割り含めてこれはかなり良いやつだなーと思った。

ミュージカル「さよならソルシエ」 [DVD]

ミュージカル「さよならソルシエ」 [DVD]

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