日々放置プレイ

読んだ本と見た舞台の感想

猫耳魔術師の助手 本日も呪い日和。 (一迅社文庫アイリス)香月 航

魔術学院を首席で卒業し、高給取りの王宮魔術師の助手になることも決まっていたシャーロット。薔薇色の人生が約束されていたはずなのに…。突然届いた内定取り消しの手紙によって、それはもろくも崩れ去ってしまった。こんな理不尽な仕打ち許せない!怒りに燃えるシャーロットは、原因を突き止めるため、差出人である王宮魔術師クライヴの元へと向かったのだが―。そこには、猫耳猫しっぽが生えている男がいて!?呪いのせいで絶賛引き籠もり中の魔術師と猫好き助手の解呪ラブコメディ!

 ファンタジー、恋愛、猫耳、猫。
 猫好きヒロインが猫耳生える祝福(相手曰く呪い)にかかった魔術師の助手になり、猫をもふりつつ解呪の方法を探す話。

 物語においてボケとツッコミは大切だと思う。ボケとツッコミが機能していると本を読んでいてとても楽しい。主人公ツッコミのほうが物語としては読ませやすいとは思うけれど、主人公ボケも楽しい。この物語において、主人公であるヒロインはほぼ徹頭徹尾ボケであり、相手役である魔術師は徹頭徹尾ツッコミに徹している。最高かよ。

 ヒロインは、学校では鉄の女と称されるような少女。しかし彼女には裏の顔があった。猫の下僕だった。猫を最上のものとし、猫を愛する。給料の良い王宮魔術師の助手になるのも、その給料で愛する猫神様の祠を再建するため。猫をもふることを最上とし、猫を愛する猫の下僕。
 なんかもう、読んでてあっこいつやべえなというノリで猫が好きすぎて笑ってしまった。笑いどころじゃないんだけど。少女小説に有りがちな程度にヒーローである魔術師も変人(黒いローブを頭まですっぽりとかぶり、部屋は片付かず、ワーホリで、猫耳で猫しっぽが生えている)なんだけど、それ以上にヒロインの猫好きっぷりがやばすぎる。あまり常識人とは言えない魔術師が、ヒロインのやばさに耐えきれずにツッコミに徹しているの、はっきりいってとても笑える。読者として突っ込みてえ! と思うポイントに的確に突っ込んでくれる本は良い本。
 徹底して魔術師の耳を素晴らしいものだとし、消えなくても良いのでは? 祝福では? と言い続けるヒロインの猫最高っぷりがやばい。
 儀式に処女の血が必要だという魔術師、ヒロインに男は知らないかと確認したところに対する回答が

「私に恋人なんているわけがないでしょう。恋猫なら欲しいですけど」
「あ、うん、俺が悪かった。なんでもなかったわ。儀式やるか」

 前半は律儀に突っ込んでいたのに、後半になると諦めてくる魔術師本当に可愛い。表紙絵だとまるで余裕のイケメンのような雰囲気だけれども、実際はへたれじみてて引きこもりでオレ様要素がほとんど無いので、表紙詐欺ではないかとちょっと不安になる。きっとヒロインが絡まないときはこれぐらいイケメンなのだと思う。実際作中でもモブのお姉さんたちがきゃーきゃー言っていたし。ヒロインがあれすぎているだけで。

 とはいえ単なるギャグノリだけでは終わらない。終盤にシリアス展開が(ボケとツッコミをはさみつつも)ちゃんとある。告白シーンすごい良かった。好きと直接言わない告白は良いものだった。終盤の、お前しかいないとすがってくる魔術師に対してのヒロインの行動がかっこよくてすごく好き。

 一迅社アイリスはKindleUnlimitedのおかげでもうちょっと色々読んでみようかな~と思えてきたところ。壊滅騎士団も残り全部読みたいな。bookwalkerでコイン数倍始まったら全巻買おう。

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