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日々放置プレイ

読んだ本と見た舞台の感想

一の悲劇 (ノン・ポシェット)法月綸太郎

「あなたが私の息子を殺したのよ!」山倉史郎は狂乱する冨沢路子の前に絶句した。それは悲劇的な誤認誘拐だった。犯人は山倉の子と誤って、同級生の路子の子を拉致したらしい。しかも身代金授受に山倉は失敗、少年は骸となって発見されたのだった。鬼畜の仕業は誰が、なぜ?やがて浮かんだ男には鉄壁のアリバイがあった。名探偵法月綸太郎と共にいたというのだ…。

 ミステリー、誘拐。
 自分の息子が誘拐されたと連絡が来た主人公、しかし実際に誘拐されたのは自分と浮気相手の間に生まれた子だった。

 うわー面白かった! すごい面白かった。一瞬でも気が休まると思った瞬間に投げ込まれるまた次の謎、それがある程度解決したかと思いきやまた新たな謎が飛び込んでくる。最近こういうタイプの読んでなかったからめっちゃ面白いぞ。法月綸太郎自体は名前は聞いたことがあるが今まで読んだことのない作家だったけれど、これで一気に他の作品も読んでみたくなった。
 もともとあまり作者名と同じ名前のキャラが作中に出てくるタイプの話が好きではないのだけれど(多分辻村深月作品でめちゃくちゃ性に合わない話があったから?)、これはびっくりするほどツボって読めた。

 事件また事件。  主人公の子供が誘拐される←この時点でやべえ。
 妻は「でも子供は自宅にいる」と言っている←錯乱してんだな
 自宅に帰ったら子供がいる←じゃあ誰が誘拐された!?!?
 子供の友人(主人公と浮気相手の間の子)ではないか?と妻が言い出す←やばい
 身代金の引き渡し手に主人公が指名される←まじでやばい
 引き渡し最中に、主人公が滑って転んで気絶する←!?!?!?!?
 目が覚めた時にはすでに身代金受け渡し時間は終わっていた←うわあ……やべえ……

 ここまででもてんこ盛りなのに、何がアレって、この時点でまだ話が1/3程度しか終わってない。まだ同じ怒涛の展開が続く。まじかよ。
 やばいぐらいのノンストップっぷりで話に引っ張られながら読んでいった。途中で主人公が死体と密室に閉じ込められるくだりなんてちょいと待ったーーーー!! と思ってしまった。

 以下ネタバレ。

 ラストの真相はほぼ完璧に主人公とおんなじ勘違いをしていた。社員に言うことを聞かせられるのは義父しかいない! は予想してたけど、さらに後ろに嫁がいるとは思わなんだ。同じ部署の社員たちが口を揃えて主人公のことについて虚偽の供述をしていれば、そりゃ読者にはわかるよな。
 とはいえ、嫁の自殺はちょっと不自然さを感じた。主人公が警察に連れて行かれる→逮捕、とは安直には思わないんじゃないのか? この嫁さんなら。息子のこともあるし、そうかんたんに死ぬとはとうてい思えなかった。やっぱり後ろにもう一人ぐらい誰かいるのでは? 浮気相手とか。誘拐事件自体の黒幕ではなく、自殺に関して路子にそそのかされたからぐらいのことがあるのではないかと思った。
 主人公の推理部分でかなりしたたかな女性だと思った妻が、そんなかんたんに自殺するとは思えないんだよなあ……。

 KindleUnlimitedに二の悲劇もあったはず(わたしが見た時は入ってた)のでそちらも読みたい。ほんとノンストップミステリーだった。面白かった!!

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