日々放置プレイ

読んだ本と見た舞台の感想

声で魅せてよベイビー (ファミ通文庫)木本 雅彦

“孤高のハッカー”を名乗る高校生・広野は、尊敬する“おっちゃん”のOSマニュアルを入手するため、同人誌即売会に乗り込んだ。場内の熱気に圧倒されつつも何とか目的を果たした広野。だが、彼の前に自称“腐女子”の声優志望少女・沙奈歌が現われ、しかも成り行きで彼女の恋の“エチュード”の相手をすることに!はたして二人は“本番アリ”な関係になれるのか!?恋と声に身悶えする、第8回えんため大賞佳作受賞の三次元激LOVEミュージカル、ついに開演。

 第8回えんため大賞佳作受賞

 現代、恋愛、声優。
 孤独でありたい少年と、孤独は嫌だけれども孤独だった少女が出会って、疑似恋愛から恋愛していく物語。

 甘酸っぱい。甘酸っぱいやばい甘酸っぱい。甘酸っぱい。
 読みながら、どこもかしこも甘酸っぱい甘酸っぱいと言っていた。これは甘酸っぱい。
 声優を目指す、腐女子であるが故にあまり友人ができなかったヒロイン。ハッカーを目指す、孤独を愛する少年。二人が目的を別にして、イベント会場で出会う。少女が見えを張って少年を恋人だと言ったことによって、二人の恋愛ごっこ、恋愛時の『エチュード』が始まることとなる。
 なんかもうこのあたりの設定はそこそこありがちかなーと思ったのだけれども、そこから孤独を愛した少年がじわじわと少女が笑うことが嬉しい、少女の声が好きだ、これが恋か、恋ってなんだ、恋なんてしたことがないと悩んでいく過程、更にはこれが恋なのだから本当に付き合って欲しいと言う中盤までのこのまどろっこしくて甘酸っぱい過程が本当にやばい。萌える。最高。恋なんて今までしたことがなくて、だからどうしたらいいのかわからなくて、ぐるぐる回って遊ぶ恋人同士の中心地点は一体どこにあるのか? などと考え始める過程だとか本当にもう甘酸っぱくて可愛くて。更には距離が近づきすぎると、今までそんなの無いので一体どうしたらいいのかわからない、どのぐらいの立場にいれば良いのか、孤独でいるためにはどうしたらいいのかわからないという流れがもう本当に甘酸っぱい、萌える。

 少年と少女の孤独に対しての感覚の違いが、物語の差としてでていてよかった。
 少年は、今までの経験から孤独であることを望む。しかし少女は、今までの経験から孤独ではなく誰かと一緒にいたいと望む。孤独の対処としてはどちらもそれぞれありだと思うんだよな。でも、二人の孤独に対しての処理が違うからこそ、二人はすれ違ってしまうわけで。少年の離れていたいという感情も理解出来るし、少女の人といることを求めて馴れ合いに近いことをするというのも理解できる、だからなんかもう読んでてあーもう、すれ違いあーもうってなってた。

 そういう現実っぽい場所と、黒玉なんていう彼女の内心のどろどろが具現化したものなんてファンタジー要素が混じり合っているのはなんか許容できたのだけれども、突然少年のハッカー要素がスーパーハカー()レベルで出てきちゃってるのはちょっと萎えた。少女を助け出すためにはそれぐらいしなきゃならないのはわかってるんだけど、スーパーハカー()かよwwwwwとついリアルに戻って笑ってしまって駄目だった。ごめん。
また、あらすじに『自称腐女子の声優志望少女』とあるけれども、腐女子要素は中身にほとんど関わってなかったので、ただのアニメオタク程度でも良かったんじゃないのかな。どうなんだろう。『三次元激LOVEミュージカル』ともあるけれどもミュージカル要素もほとんどというかほぼ全くレベルで存在しなかったし。
 おっちゃんに関しては予想通りだったというか、今まで誰も気づかなかったのかよそれwwwと笑ってしまった。

 とはいえ、少年が次第に少女に対してマジの恋愛感情を持っていくあたりが甘酸っぱくて不器用で読んでいてとてもかわいかったしとにかく萌えた。最高だった。

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