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日々放置プレイ

読んだ本と見た舞台の感想

魔獣調教師ツカイ・J・マクラウドの事件録 獣の王はかく語りき (Novel 0)綾里 けいし

★★★★☆ 読書 読書-ライトノベル

 ファンタジー、ミステリー風味、ちょいエログロ。
 人間と魔物の混じった存在である魔獣、それを調教する魔獣調教師と友人になった主人公の物語。

 ノベルゼロ安売り買い込み時の消化第3段。ノベルゼロは紙のほうが装丁的に絶対楽しいんだけど、紙でフルプライスで買うと高くてな……どうにも。
 綾里けいしさん作品は他に異世界拷問姫、幻獣調査員を読んでいる。なんとなく綺麗な文章でグロっぽいものを書く人なのだなーという感想。家族がB.A.Dをゴリ押ししてくるのでそちらもそのうち読みたい。

 物語は連作短編。一応主人公と書いたけれども、もしかして主人公は視点であるウヅキよりも、タイトルにもなっているツカイのほうだろうか。ツカイにまつわる物語だから、そっちのほうが正しいかもしれない。
 男二人コンビ(というにはあとがきにもある通り少々弱いか)が、魔獣絡みの謎や事件に巻き込まれ、それに対して主にツカイの超強力な魔獣調教能力や推理力で解き明かしていくタイプの物語なのだが、ツカイは往々にして謎解きをしてくれない。主に視点のキャラであるウヅキ、またはその章のゲストキャラクターに謎解きは任せる。その為、ツカイがやっているのは一体何なのか? ツカイは一体何を企んでいるのか? と考えながら読むこととなる。

 この作者さん、物語として美しいんだけれどもどこか残酷、後味は悪いが全く救われていないわけじゃないという微妙な立ち位置の物語を書くのが非常にうまくて、この話もそのパターンだ。特に父親が魔獣との行為に狂ってしまった少女の物語がその色合いが濃いと思った。後味は悪いし、物事がそうなってしまったのは誰が悪いわけでもというか誰もが悪いわけでもというか、とにかく最悪な感じなんだけれども、後味がどうしようもなく悪いわけじゃない。絶妙だよなと思う。

 ウヅキとツカイの距離感がとても良い。いつのまにか馴染んでいるけれども、完全に気を許しているとは言い難いあの感じはとても良いと思う。
 また、ウヅキ自体のキャラがすごく良い。好奇心は猫を殺すでさくっと死にそうなくせに、相手の機敏を読めるからそこでギリギリ生きながらえている。あとネズミに頭下げるところで笑ってしまった。お前のそういうところがすごく好きだよ。
 ラストのラスト、謎の解き明かしのシーンで「なんでお前いるの?」扱いされたのが面白すぎた。確かに物語のお約束的にはそこでいても質問しても全く問題はないけれど、実際ただの友達程度のやつが首を突っ込んできて聞いてきたら、なんでお前そんなの訊くの? ていうかなんでいるの? ぐらいの扱いされるよなー!w 言われてみたら確かにそうだ。リアルに笑ってしまった。

 あとがきに、ノベルゼロは男性向け、大人向けレーベルなのでそれに合わせたと書かれていて、そういえばそういう読者層を狙ったレーベルなのだと思いだした。ノベルゼロにまだ馴染んでないうちに読んだのがインスタントマギで、あれがそういう色合いの薄い、メイン恋愛要素がかなりの純愛ものだったので、そういう感覚をすっかり忘れていた。

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