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日々放置プレイ

読んだ本と見た舞台の感想

竜騎士から始める国造り (ファミ通文庫)いぬぶくろ

竜騎士から始める国造り (ファミ通文庫)

ファンタジー、異世界転生、成り代わりというか死人の代わりに生きていく。
現代日本から異世界の奴隷に転生した主人公が、死にかけ貴族を見つけて成り代わる話。

面白かった。本当に面白かった。
元はなろう→ミライ小説大賞にての小説だそうで。とはいえなろうの小説だとよくあるようなぶつ切り感は全然なかった。あれはあれで外出先や電車のなかで読むには向いているのだけれどもね。これは一気に読みたいタイプ。
一刻も早く続きを読みたいとどんどんアプリの画面叩いてた。こんなとき電子書籍の微妙なとろさがムカつく。

主人公は現代日本で死んだ後、異世界で奴隷として転生する。お使いで出歩いている最中に死にかけ貴族を発見。こいつに成り代われば奴隷の立場から抜け出せるぞということで、とある学校新入生のその貴族に成り代わる。新天地に行くところだったので誰も主人公の顔を知らず、うまいこと彼は貴族の少年ということでやっていく。そうしてある日、学校側の課題として、周辺の街や村の視察などをしてこいというものが出て、という感じのお話。

主人公、各所でチートじゃないって言われてるけどわたし的にはこいつは十分チートだ。だってCAD使わずにポンプの設計図書けるって絶対チートでしょう。CADがあっても難しい気がするぞあんなの。もしかして生前そういう仕事をやってたんだろうか。そのあたり詳しくは書かれていないけれども気になった。チートです十分チートです。
という冗談のような本気な話はおいといても、主人公の性格が良いかんじ。ちゃんと現代日本人っぽい、周囲の人に無駄に喧嘩売らないなどの部分もありつつ、必要となれば殺人も厭わないというこの異世界に染まった部分もある。居場所に順応しているところが個人的には結構魅力的に見えた。
あと、終盤に明かされる辺境の村を発展させる理由も好き。主人公がなり変わってられるのはどうせ短い間に過ぎない。貴族の少年の実家に確認されたら、もしくは貴族の少年(正しい)を知る人物に会ったらあっという間に終わる。だからその前に自分の居場所を作る。現代日本の知識を利用しつつも、最終的な目標は自分の力で他人からの信頼を集め、地位を作り、居場所を得ること──という感じですごく好きだ。頭ふわついてないというか、やらなきゃならないこと、どうやったら生きていけるかが見えているというか。
だから石鹸作るあたり頭良いよね。子どもが死なないように、次世代の労働力が死なないようにということを考えているし、子どもに良くしてくれたら大人も反応が良くなるし。あのあたりすごく好き。

物語としてはちょっとテンポが早いかなーという気はするけれども、それも主人公が自分に存在する見えない砂時計の残量気にしてる感あって良かった。あまりに目立つことをすれば実家から疑われるし、けれどものろのろとやっていたら他の事象で確認されてしまうかもしれない。急ぐ理由もわかるし、物語的にもテンポが良いので好き。

出てくるキャラも魅力的だった。多分ヒロインはアムニットかな? と思ってたんだけど、ミシュベル可愛いよミシュベル。主人公に気に入られたいっていう感じから始まって、次第に主人公のことがすっごく好きになってる雰囲気があってすごく可愛いよミシュベル。徐々にゆっくりと惚れていってそうで可愛いよミシュベル。出てきた最初のうちは、絶対悪役だろお前が主人公が実家に正体バレする原因だろ、って思っててごめん。絶対裏なんてなさそうだし、現状見る限りむしろ主人公が正体バレしそうになったら庇ってくれそうな気すらするよ。ごめんねミシュベル。
でも個人的にはヒロインはやっぱりヴァリアではないかと思う。メスドラゴン。主人公のことを信頼してるからこそ人間語で話しかけたんだと思うし(でも主人公にだけ話しかけるあたりはちょっとご都合主義にすぎるかなーって思った)、何かあれば助けるって言って本当に助けに来てくれるし、「ここで童貞を捨てていけ」って台詞格好良すぎでしょう姐さん。姐さんと呼ばせてください姐さん。格好良すぎた。コンビとしてめちゃくちゃ格好いい。

話が面白かったし、主人公がいつまで騙し続けていられるか、そして誤魔化しきれなくなったその時どうするかが気になった。早く続きが読みたい。
なろうでミライ小説大賞なので読もうと思えばそっちの媒体でも読めるとは思うんだけれど、あんまり別媒体では読みたくないっていうか、前に桜ish(ザ・スニーカー連載の後文庫化、しかし大量に書きなおされているためもはや別物/雑誌連載は完結したものの文庫版最終巻は未刊)みたいなのがあるからあんまり安易に別媒体に手を出せない。早く本で続きが出ないかな。

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