日々放置プレイ

読んだ本と見た舞台の感想

十角館の殺人 綾辻行人

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

この記事には犯人に関するネタバレが含まれています

新本格ミステリーといえばこれ! とよく聞く。今ちょっとミステリー読みたい期なので読んでみた。ついでに言えば、ツイッター綾辻行人小野不由美が夫婦だというのを見て、何か綾辻行人を読みたいなーと思ったのもある。
十角館の殺人といえば「落ちに驚いたミステリー」「トリックに度肝を抜かれたミステリー」なんてのにほぼ確実のように入ってくる小説。新本格の草分けになったなどともよく言われている。ところで新本格って具体的にどういうミステリーなんだろう。一時期メフィストやらファウストやらを読んでいたけれどもよくわからなかった。

物語は主に二つのパートによって描かれる。十角館のある島へと行ったミス研の面々の物語(主に殺人事件が起こる)と、行かずに残っていたら謎の手紙が来た本土の人間(主に引っ掻き回す)の二つのパート。
読んでいるうちは本土パートはどう関わってくるのか? 犯人の動機解明? 島がハウダニットをやりつつ本土でホワイダニットが描かれるのか? と思って読んでたんだけれども完璧に騙された。というか、あの犯人の落ちは誰が予想できるんだろう。
キャラクターたちがアダ名で描かれることから、名前と人間の挿げ替えトリックはほぼ確実に起きているだろうとは思っていた。とはいえ一体誰と勘違いさせるのか? 中村青司がここに混じれるわけがない、ならば作者は一体何を勘違いさせようとしているのか? と思っていた。
読み終えて、てめえかよ!! と叫んだ。マジでてめえかよ感パないぞ。というかよくそんなトリックが思いついたなというか、よくぞそんな……。解決パートを読んでて、んな馬鹿な!!! とずっと思っていた。
守須という名前自体がトリックとは思わなかった。そうだよな、ちゃんと冒頭で「名前を受け継ぐ」と言われていた。本人の名前に関係はなかった。江南がコナンでありドイルであるのは彼が名前を受け継いだ人間ではないからであり、島田を勘違いさせ、かつ読者も勘違いさせていた。完璧に騙された。モリスという名前を聞いたらミステリーがわかる人間はすぐにルブランを連想する。そこがきっといちばんのトリックだった。

流石に最初に出されてから20年? ほど経った今読むと、どことなく古いなと思ってしまう部分はある。絶海の孤島であろうと今ならば電波も来ている気がする。小舟で往復できる距離なのだから。
やはり、そういう部分含めても、ミステリーにおいては密室が作れる環境は大事なんだなと思った。全員携帯電話がウィルコムなんてことはそうそうないから、警察に連絡がつかないという絶海の孤島のミステリーはやりづらいんだろうなと思う。
あとアガサのソバージュの髪型が可愛いと思われていた時代感、めっちゃ古いし懐かしいかんじがある。

ある意味この物語のために作られたキャラにこの子かわいーと言うのもまた不毛すぎる気がするかもしれないけど、ルルウがすっごく可愛い。こういうキャラはいつだって好きだ。
しかし丸メガネという描写のせいで、なんとなくスリルミーの私で脳内再生してしまった。松下私のほうです。

この本自体は確か10~15年ほど前に読んだ記憶がある。
読んだのだけれども、たしか私が昔読んだ本は十角形の館が回転して方向を狂わせるはずだったのだが、今回読んだのは全然違ったので、多分私が過去に読んだのは全然違う本だった。ずっと館が回転するはずだ! と疑いながら読んでいたし、終盤のカップを当てるところで回るぞ……回るぞ……と期待していた。全く回らなかった。
私が読んだのは一体なんの本だったのだろう。

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