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日々放置プレイ

読んだ本と見た舞台の感想

ボクの穴、彼の穴 観劇

見たもの 見たもの-舞台 ★★★☆☆

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なんとかチケットを取れたので見てきた。いつもそこそこ気楽にチケット取ってたのでここまでもつれるチケ取りは初めてだった。二度とこんなのやりたくない。

見てきた人

  • 渡部秀さん目当て
  • 原作絵本未読
  • パンフレット未読
  • 一番後ろの席なので細かい場所は何も見えていない
  • あとで絵本読んでから感想修正するかも

物語としてはよくわからない、あえていうのならば作中で言われている通り「哲学者かよ!」「詩人かよ!」というのが最も近いような。
ステージの上にいるのは男が一人。彼は現状、戦争が行われているということを告げる。彼は穴の中にいる。食料は残り少ない。戦う敵は集団として存在するだろうけれども、彼の目の前にいるのはたった一人、同じく、穴の中にいる『彼』だけが、彼の敵だった。
見ているときは「どこにでもいる普通の、マニュアルに頼ることしか出来ない普通の青年が、戦争に巻き込まれ、相手のことを理解して、ボクと彼の間で戦争を終える物語』なのかと思った。けれども終盤、彼ら二人は同じ台詞ばかりを繰り返し、相手からの手紙を待ち続ける。手紙を待っても来ない。ラストで雷の音に混ぜあわせた銃撃音がしたのだからきっと彼らは相手に向かって銃撃を開始する。おそらくは戦争を終わらせるために。
ボクと彼はひどく似た存在で相互理解は出来たとしても完全なる理解は不可能で、そして彼らはどちらも受け身で、自ら動くのが命令された「敵を殺せ」という言葉に従うことばかり――と思ったのだけれども。

ただ、見ている最中の、彼の台詞とボクの台詞があまりにも同一なあたりが気にかかった。途中、塚田さん演じるボクと渡部さん演じるボクが同じ言葉を二人で言い続けるシーンがある。もしかして、彼とボクは本当に同一なのではないかなと思った。彼は存在しない。穴にあったものも本当は妄想だったのでは? 途中で彼とボクが会話し分かり合うシーンがあったけれども、あれも作中では妄想だった。ならば、ボクはずっとボクの穴のなかにいるだけ、もしくはとうのむかしにそこからは出て行ってしまった誰かの穴を見つけてこれが彼の穴だと思っているだけでは? 本当にボクが敵だと思う彼は存在したのか? 彼が存在しない、妄想上のものなのだとすれば、彼とボクの台詞が中盤同一なのもわかる。あれは彼とボクが話しているのではなく、ボクが話しているだけなのだから。
彼とボク、二人で穴の布を畳むのは、彼とボクの間では戦争は終わったという意味かもしれないし、穴がひとつしかない布=ボクの存在する穴しかない砂漠のような大地を終わらせるの意味だったのかもしれない。
もしボクと彼がおらずにボクしかいない世界ならば、ボクが撃つべき相手は誰だろう。存在しない彼か。それとも存在するボクか。ボクは彼であり、彼はボクなのだから、最後にした銃撃音で撃った相手は一体誰だ? 戦争を終らせるためには彼を殺さなければならないのだから、殺した相手は彼=ボクなのだからボクではないのか?

などと、考えてしまうような舞台だった。
結局そのあたりの決着はつかず、わからないまま物語は終わる。どこかすっきりしない舞台でもあり、けれども役者二人の違いと力量が見れて面白い舞台だった。

物語の主題としては「戦争はやめよう」「個と個で戦争を止めれば、世界中の戦争は終わるのではないか?」「戦っているのも、ボクとよく似たボクである」「集団の責任をボク一人に押し付けられても困るんだけど!」みたいな感じかなあ。個と個でやめれば世界の戦争は終わるみたいな理論は個人的には嫌いですけど、物語の主題としてはよくわかるし、この話としてはそうだろうなという感じがある。
個人的には「マニュアル人間まじやべえ」のほうが強かったけれども。結局ボクも彼も、指示されたことしかしていない。戦争マニュアルに書かれていたことしかやっていない。『手紙を相手へと送る』ということは書かれていないからやっていないが、『敵を殺せ』とは書いてあるからボクは彼を殺すために動いている。あれかな、わざわざ年齢も言っているし、ゆとりやばいって話だったのかな、もしかして。ゆとり世代で叩かれまくっているのでついそんな勝手な被害者意識を持って思ってしまった。
まじでボクが一人しか存在しなかった場合、存在するボクは塚田さんのボクでしょうね。冒頭で物語の状況説明をしているボクが彼だから。

余談だけれど、この彼とかボクとか表記面倒くさいな。
一応彼らにも役者名と同じ名前が存在しているけれども、この物語の上で彼らは殆ど名の存在しないボクと彼なので彼とボクのまま表記するけれども。でもあれも意図的にだろう年齢を変えている以上彼らではないということなんでしょうね。
彼とか彼とか書いてると彼と私でスリルミーな気分になる。
余談終了。

役者

反対な二人だった。髪の色も反対ならば、体格も(遠目だと)細めの塚田さんと、(遠目だと)がっしりとした渡部さんで真逆だった。とはいっても塚田さん、ツイッターでざっと見ただけでちゃんとは確かめてないんですけど、土曜の千秋楽がSASUKE挟んでたってまじですか? 絶対体力勝負でムキムキじゃないですか。
そのパッと見の印象からの、どちらかというとインドアでひ弱っぽいボクと、学級委員長をしていて「はい賛成多数!」ってやるウザ学級委員長っぽいボクだったのかな。でも実際はどっちもムキムキなんでしょう……? 後ろの席だったので脱いだ時は全然見えなかったですけどどうせおふたりともムキムキなんでしょう……?

中盤の歌うところでふたりともの声ハモってて凄かったです。塚田さんのほうが上パートかな? 綺麗だった。渡部さんはそれとは別にマイケル~って歌詞に入ってるの何度か匍匐前進しながら歌ってた。あの体勢からよく声出たなー。

ふたりともがトカゲ/ミミズ取りに頑張るシーン、塚田さんの体柔らかすぎ!? なんだあれは。ボクと彼が会話するシーンで塚田さんに蹴りをいれる渡部さんのシーン、脚上がりすぎ!! 良い動きしている。っていうかアクション系の動きがほんとだんだん良くなっている気がする。

声の出し方とかは渡部さんのが聴きやすいなーと思った。聞き慣れてるからかも。声が通りやすいから、学級委員をしてたというのもなんかわかる。みんなに意見を聞いたりとか得意そう。みんなの前に出て引っ張って行ったりする、先生がこうしてほしいなって言ったらそれを聞いてちゃんとやり遂げる、頭が良いわけじゃないけど良い子。だから、マニュアルに従っている。
塚田さんは高くて通りが良かったけれど、一部の台詞を聞き落としてしまった。そこまで重要な台詞じゃなかったからよかったけれど。気弱でどことなく不安定なボク、という印象があった。塚田さんのボクは気弱で、かつ頭が良いよね。だから他人からそう思われているだろうという役柄を演技していた。本当はもっと出来たのに、もっとやれたのに、とボクは思っている。このボクは頭が良くて、だからこそマニュアルに従っている。
二人のボクはどう見ても違う存在だけれども、結局偉い人に従うっていうのがなんでだか、なんとなくこっちに理解させてくるのがうまいなと思った。

全く違う役者二人をボクとボク、彼と彼として配置したのが面白かった。

会場

パルコ劇場。行ったことないかなーと思ってたけどそういえば4年ぐらい前に一度だけ行っていたのをついてから思い出した。ロビーは狭いけれども謎の高級感があるよね、あそこ。
場所は渋谷に慣れている人なら全然迷わないんだろうなという配置。パルコのパート1。Y字路を曲がるのに失敗しなければとても目立つので迷いようがない。エレベーターの数があまり多くなく、エスカレーターではたどり着かない場所なので、必然的に開場直後・終了直後はエレベーターが混む。
チラシ置き場にいろんなチラシがあったので喜んでもらってきてしまった。エンドオブレインボーをまさかここで見つけるとは。曇天のチラシももらった。レストラン街にもチラシ置き場があって、露出狂のチラシがあった。
椅子は座りやすいかんじ。会場自体がそこまで大きすぎない程度なので、一番後ろの列でオペラグラス無しでもそこそこ見えるのが有り難い。

ネットの記事類

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ボクの穴、彼の穴。

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