日々放置プレイ

読んだ本と見た舞台の感想

おひとりさまでした。 ~アラサー男は、悪魔娘と飯を食う~ (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ) 天那光汰

おひとりさまでした。 ~アラサー男は、悪魔娘と飯を食う~ (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)

なろうコン大賞作品。
旨い飯を一人で食う。それだけで充分幸せだ。だけどもし、隣に誰かいたら---。
 
速見誠一郎29歳、独身。恋人もなし。食べ歩きと、一日一冊の読書。
一人の時間をこよなく愛する誠一郎は、一人きりの食卓に並ぶ料理を日々笑顔で見つめていた。
そんな誠一郎はある日突然、偶然にも魔界の悪魔を召喚してしまう。
リリスと名乗る悪魔娘に、願いを一つ叶えてやると言われた誠一郎。
……後になって振り返る。自分は何故、あんな願いを口にしたのだろうと。
この話は、アラサー男が悪魔娘と飯を食う。たったそれだけのお話です。

飯テロ、ファンタジー、飯テロ、短編集。
アラサー男が、人間世界の食を知らない悪魔少女と様々な飯を食う飯テロ本。
なろうもので1話1話が短いので、合間合間に読むのに向いているけれどもただし飯テロ本。

これはとても飯テロ本。何度でもいうけど飯テロ本。
アラサー男がちょっと多めのマグロを買ってしまい、小児困っている時に、ふと読んだのは一冊の本。悪魔の召喚方法だなどと胡散臭いことを書いてある。皿に残ったマグロの血で魔法陣を描いてみたら、そこに現れたのは悪魔を名乗る少女。少女に自分と飯をくれと願ったところ、主人公が一人では入りづらい場所に行った時、一人では食いきれない飯を食おうとしたとき、悪魔が現れるようになる。

もう飯描写が美味そう。食道楽の主人公が選ぶ飯はどれも美味そう。一番最初のマグロの刺し身&漬けもうまそうだし、焼き肉やラーメン、中華に深夜のコンビニ飯にと美味そうなもの盛りだくさん。食道楽と言っても高いものばかりではなく、コンビニおでんのつゆにするめを入れておくなどといった簡単だけれど美味そうなものも多くて読んでると腹がへる。深夜に読んではいけないやつだ。
そして、その料理に対する悪魔娘の反応が可愛い。「うまそー!」「うめえっ!」などと嬉しげに声をあげながら片っ端から食べていく様子がもうとにかく可愛い。人間の料理をしらない悪魔娘が、手づかみで片っ端から皿を空けて、旨い旨いと繰り返すのがたまらない。
こういうのって食い物の描写が細かいのも美味そうに見えるけれど、美味そうに食うキャラがいると更に美味そうに読めるんだよな。悪魔娘がいるからこそ飯が倍以上に美味そうに見える。

「これは豚肉を油で揚げた、とんかつというものだ。豚肉は食ったことあるって言ってたよな?」
「うそだろ。これが豚肉って。あたしが食べてきた豚肉は何だったんだよ」
 リリスがそう言うのも仕方ない。ただ殺しただけの豚の死骸と、この崇高な料理を一緒にされてしまっては困る。おそらく、とんかつが豚肉を最も美味く食すことの出来る料理の一つであることは、疑いようがない。

供物としての生の豚肉は食ったことがあるものの、調理された豚肉は食ったことがない悪魔娘。彼女がちょっとした食い物でも美味そうに食う様子がたまらない。とはいえ、食道楽の主人公の食う飯なのだから、どれもこれも旨いには間違いない。絶対悪魔娘は舌が肥えすぎて、次一般人に召喚されたら飯が不味いと言うだろう。

飯ってまあ食い物なのだから、一人で食ってもそこそこ旨い。でも、例えば美味そうなやつが二人前や三人前のとき、二種類食いたいけれども両方をくう腹具合ではないとき、単に誰かと飯が食いたいなと思う時、そんなとき隣に誰かいたら良いと思ってしまう。
シェアして、交換してと、種類が食えるしわけあえる。それって良いなって、そんなのを思い出す物語。ただ、個人的に最後の展開は蛇足だったんじゃないかなーと思った。唐突に誰だお前。

読んでいる最中はとにかくラーメンが食べたかった。明日はラーメンが食べたい。
それにしても、読んでて思うけれども二人分を軽々と払える主人公は案外金持ちでは。

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