日々放置プレイ

読んだ本と見た舞台の感想

ぐでんに候 けんか安兵衛事件帖 (角川文庫)亀かずお

ぐでんに候 けんか安兵衛事件帖 (角川文庫)

父と姉の無念を晴らさんと越後新発田を出奔した中山安兵衛。江戸は浅草の長屋に「よろず相談所」の看板を掲げ、日々の糧と酒代を稼いでいるが、世話好きのおかん婆さんが持ち込む喧嘩仲裁の仕事が、とんでもない事件へと安兵衛を導く。藩の御家騒動、三年越しの仇討ち、寸借詐欺をして旅を続ける親子武芸者…。持ち前の腕っ節の強さと気前のよさで人間の裏面や男女の機微に触れ、男を磨いていく若き日の堀部安兵衛とは。

江戸、時代物、人情話、短編集。
お江戸で喧嘩成敗の仕事をしている安兵衛が、時には人情、時には刃傷沙汰に巻き込まれる話。

安兵衛といえば、忠臣蔵で有名、元禄赤穂事件にて江戸急進派っつーか、要するにさっさと上司の仇とろうぜ! ってやってた江戸の人。その堀部安兵衛が婿入りして堀部安兵衛になる前、まだ中山安兵衛だった頃の話。
あらすじからなんとなく高田馬場での大立ち回りまでの話かなあと思ってたのだけれど、そのあたりはほぼ全く無く。というか、史実自体がほとんど関わってこない話だった。たまにちらりと『そうして後年の仇討で云々~』みたいに思い出したように書かれるぐらいで、特に物語自体に対する関わりはない。
はっきりと言ってしまえば、腕は立つが気の良い酒好きの浪人が、お江戸の揉め事を解決していく話でしかなく、堀部安兵衛=中山安兵衛である必要性はあまり感じられなかった。私はその部分を目的に読んだから、これなら普通の時代小説読むので良いのではないかと思った。

ただ、普通の時代小説として見てしまえば面白い。寸借詐欺親子の話なんて特に面白かった。詐欺をしてうまいこと金を稼ぎ、更にはとめてくれた安兵衛からも金を(無断で)借りて行ってとやらかす割に、良い性格でどうにも憎めない親子。親子の間にある秘密や、父がなんとかまともに仕事を得るために出ようとおもった大会には、腕利きの安兵衛が出場が決まっている。果たして安兵衛と父の戦いは、という流れなど。
どうくる? どう進む? という流れが面白かった。しかしまあ別に中山安兵衛である必要性はあまりない。あまりないが、物語として面白い。

まるで軽めの人情時代劇を見ているような感覚で読めて面白かった。短編集で1話1話が短めなので、45分ぐらいのを見ている気分。細かな空いた時間に読むには十分だった。脳内再生お江戸でござる(わたしがまともに見ていた数少ない時代劇)。

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