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日々放置プレイ

読んだ本と見た舞台の感想

異世界で学ぶ人材業界 (講談社ラノベ文庫)北元 あきの

★★★☆☆ 読書 読書-ライトノベル

異世界で学ぶ人材業界 (講談社ラノベ文庫)

高校生の少年・神戸秋水は異世界に召喚された―。それも、世界を救う勇者として。だが、召喚プログラムの誤作動により、彼が継承するはずだった勇者の能力は、100人の少女たちに散らばってしまっていた!秋水が元の世界に帰るには、その少女たちとキスをして勇者の能力を取り戻す必要があるらしい。そして秋水は、彼を召喚した人材コンサルタントの少女・ノアとともに、異世界で人材募集を行うことになる。ターゲットは100人の女勇者―!?友情・勝利・圧倒的成長!異世界キャリアアップファンタジー!

異世界トリップ、お仕事モノ、ラブコメ
とあるネトゲで最強勇者となった主人公が、そのままゲームの世界の元ネタとなった異世界へと連れ去られ、そのまま人材派遣広告制作会社で働くこととなる話。

面白かった。本来ならば最強有者の能力引き継ぎで異世界に連れてこられる予定のはずが、召喚側の手違いとプログラムミスによって普通の人間程度の能力しかなしにい世界に飛んでしまった主人公。
最強勇者としての能力を取り戻すには、100人の少女に飛び散った力を回収(キス)しなければならない。
とまあ、ここまではなんというかハーレムラノベ的なんだけれども、一時的に主人公が居座ることになった場所が、人材派遣広告業界。ちょっとこのあたりが異色。

物語の最中で、人材派遣のコピーライターとしての仕事もやらされることとなる主人公。広告をうつのに大切なことは、とにかく人を集めることだけではない。目的の層をうまく狙うこと。欲しい人材を的確に呼び寄せる広告をつくり上げる必要がある。
作者が実際にこの職についているだけあって、職業に関しては詳しいというかあんまり出しちゃいけない部分まで詳しすぎるというか。コンセプトシートの下りは面白かった。

 概ね三段階のフェイズを踏んで、求人広告でその企業が伝えるべき方向性――つまりはコンセプトが導き出せるようになっている。
 まずはクライアントと採用競合の現状分析。ここで企業の強みと弱みを把握する。
 そして、採用ターゲットの設定。ここではターゲットの人物造形――どこで何をしており、どういった志向で希望や不満をもっているのか――を仮説立てていく。  最後に設定したターゲットに一番言うべき企業の強みを導き出し、それが採用コンセプトとなる。

めっちゃわかりやすい。このタイプの仕事は一切したことない自分でもだいたいどういう風にしたらいいのかうっすらとわかる。

できるならば応募者1名、採用者1名であるぐらいがいい。そのぐらいぴったりマッチングするようなコピーを打つのが最大の目標というヒロインの台詞が良い。
簡単な程度だけれどもコピーの書き方や目的の絞り方など面白かった。

「いい? コピーを読んだ人に、どう思ってもらいたいのかを考えなさい。驚いてもらいたいのか、感心してもらいたいのか、共感してもらいたいのか。それとも怒ってもらいたいのか、笑わせたいのか。それを想像するだけで、同じことを伝えるのでも表現は全然違ってくるでしょ?」

本のキャッチコピーとしては「女勇者100人、採用します!?」なんだろうけれども、物語としてはどうして女勇者100人採用するかという部分まで(しかも採用するのは最終的に女勇者ですらない)。プレゼンモノとしてはあまり良くはない(行き当たりばったり的にプレゼンするのはラノベ的にはばっちりだけど見ててハラハラした)けれど、コピー作成話としては面白かった。

地味に、というかばっちりと仕事内容のブラックさが目立つ話だった。あとがきで作者が自分の仕事がコレだと言ってたので、あーブラック……とてもブラック……と読み終えてから震えた。ヒロインがヒロインという立場というのに自宅を寝るための場所として職場から三分の位置に住むようにしてたり、下着は流石に3日で取り替えろと言っているあたりがこわい。こわい。社畜だ。ヒロインがとても社畜だ。
お仕事物としては面白かったのだけれども、後半に入ってきたアクションパートなどは自分はあまり好みではなかった。そのあたりは無くとも面白かったのになーとも。
内容的に100人実際に集めるわけにはいかないだろうし(作中のやり方だとしても一体どれだけ突然のラブコメがぶちこまれることになるのかわからない)この巻で終わりだろうかとも思うけれども、とてもおもしろかった。

一応「キスをして女の子に宿った勇者の力を自分に戻して元の世界に戻る」という設定はあるものの、作中で主人公にあったのはハプニングスケベぐらい、ばっちりべろちゅーは女子同士で(挿絵あり)というのに笑った。多分ちょっと何かが違う。
読み終えてから気付いたけれど、イラストが艦これのうーちゃんとか描いてる人だった。髪の毛のあたりが見覚えがあると思ったら!

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