読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

日々放置プレイ

読んだ本と見た舞台の感想

着物探偵 八束千秋の名推理 (TO文庫)佐々木禎子

★★★☆☆ 読書-ライトノベル 読書

着物探偵 八束千秋の名推理 (TO文庫)

小雪の舞う札幌。ブラック企業勤めでボロボロのOL・あまねを救ったのは、超イケメンの和装男子――八束千秋だった。呉服屋の店主だが、口は悪いし、自惚れ屋。着物への愛情なら誰にも負けないがゆえに、そこに秘められた、持ち主の想いや謎に迫る! 今回の事件は、不可解な連続放火事件!? 黙っていればカッコいい、着物探偵の名推理をご堪能あれ! 恋に胸がきゅんとして、最後には元気も出るお仕事ミステリー!

和服、ブラック企業、ぷちミステリー。
ブラック企業で心折れてたOLが、ブラック企業と決別して呉服屋にてバイトをする話。

所謂キャラ文芸枠かな、TO文庫って。
最近創刊するらしいマイナビ出版ファン文芸の「キャラクター×オシゴト×プチ謎」というキャッチコピーは完璧にキャラ文芸のことを的確に表していると思う。ついでにいえば、「ちょっとほっこり」も。いやブラック企業パートは全くもってほっこりしないどころか精神痛めつけられるけれども。

book.mynavi.jp

それに則れば、まさしくキャラ文芸なお話。

物語として描かれる「オシゴト」部分は、主人公がブラック企業をやめてバイトを始めた先である呉服屋。和装男子八束千秋を店主とするやつづか屋は、時には古着買取もする呉服屋であり、ここの仕事部分がメインとなる。
とはいえ、主人公はあまり仕事に慣れているわけではなく、また店主も着物バカであんまり主人公に仕事を手伝わせない。着物にもしものことがあると困るので。そのため、呉服屋の仕事自体に対する話より、主人公の目から見た着物の美しさや、着物を着ている人の美しさの表現などのほうが多い。
例えばとある着物を見た時、まるで春の葉っぱから夏の葉っぱ、そして葉の裏側までを表現しているような着物と描かれることがある。どういうのか想像するだけでとても綺麗。

キャラ部分は、いうことが強気で嫌味でナルシストじみている千秋と、千秋が頭の上がらない老婦人しずというコンビの組み合わせがとてもかわいくてよかった。そして話が進むごとに、千秋はいうことはきついけれども面倒見は良く、しずさんはいうことは優しいし手助けもしてくれるんだけれども最後の最後は助けないし覚悟を見るためにきついことを言う。
この二人の差というか、違いが良かった。

突然起きた連続放火事件、持ち込まれた着物の謎などが綺麗に繋がるのが面白かった。話自体が面白いし、まだまだ続きもいけそうな内容なので、2巻が出るなら読んでみたい。また、着物に詳しいという視点よりも、着物の美しさが表現されるようなののほうが読みたいな。

広告を非表示にする