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日々放置プレイ

読んだ本と見た舞台の感想

花魁さんと書道ガール (創元推理文庫)瀬那 和章

花魁さんと書道ガール (創元推理文庫)

大学生の花沢多摩子は書道が恋人の変わり者。祖母の部屋で古びた簪を見つけたその夜、春風と名乗る花魁の幽霊が現れる。多摩子に花魁は笑いながら「本物の恋を見ることができれば成仏するかもしれないよ」と告げる。自分に取り憑いた幽霊の言葉を信じ、多摩子の体を貸して、悩める人の恋を手練手管で成就させることに。かくして妖艶で口の悪い花魁と地味で無口な書道ガールによる「最強の恋愛アドバイザー・春風さん」が誕生した! 恋模様は十人十色。泣いて空まわりして打ちのめされても、好きって無敵。あなたの恋を、二人が全力で応援します! 文庫書き下ろし連作短編集。

現代、恋愛、微歴史要素。
突然現れた花魁の幽霊にとりつかれた女子大生が、幽霊を成仏させるために恋のお悩み相談を受けることになる話。

話自体は連作短編集。花魁の春風さんと出会う話、チャオという少女が二股しているがどうしたらいいだろうと相談してくる話。浮気症のクズ男にハマっている子が、彼に自分一筋になってほしいという話など、恋愛を軸としたちょっとしたお悩み相談。
と見せかけて、幽霊の春風は花魁まで上り詰めただけあって他人の思考を読むのがうまいし、特に色恋沙汰に強い。相談相手の裏のことまでシャーロック・ホームズのように見ぬいた上で、主人公である多摩子をうまく扱って翻弄しつつもお悩み事を解決する。

最初は恋愛関連のお悩み事を解決するほっこり日常系かと思ってたんだけれど、春風の使う方法がなかなか黒いw
どうやったら言葉を信じこませられるかなんていう簡単なものから、男をうまく落とすための外見の飾り付け方からセックステクまで事細かに他人に指示したりなどとどす黒いものまで。なおかつ、花魁やってて頭が良いだけあって、うまいこと他人を自分の意のままに動かす方法も兼ね備えている。黒い、黒いよこの幽霊! 恋愛ほっこり物語じゃなく、恋愛ドス黒物語だよ! と思わずにはいられない話。
個人的には浮気症のクズ男に好きになってほしいと思う女の子の話が一番どす黒いな~人間怖いな~と思った。

何気、すべての話が二段落ちというのか、終わったと思ったところでもう一段オチが用意されているのが面白かった。これで綺麗に終わったな! と思ったところで春風からのもう一つラストを教えられるという流れ。
こういうタイプが好きなので、読んでいて何度もおおっ!と言わされた。
ただそのせいで多摩子とガクの流れ、これは絶対もうひとつ落としてくるぞ……落としてくるぞ……と思ったけれども何もなかったことに拍子抜けした部分もある。

 

地味にありがたかったのが、書に関しての説明。先日読んだ後宮詞華伝に出てきた臨書という言葉、よくわからないなーと思っていたのだけれど、この本にて

書を学ぶ方法は色々あるけれど、基本となるのが臨書と呼ばれる学習法だ。臨書とは、手本となる書に基づいて書くこと。小学校の習字の授業でやっていたような教科書を左側に置いて書くのも臨書の一つで形臨と呼ばれる。他にも、手本を丸ごと真似するだけじゃなくて特徴的な部分を誇張したり意図を汲み取ってあえて書き方を変えたりする意臨、形臨を繰り返し行った後で手本を見ずに書く背臨などがある。

などとわかりやすく説明されていた。話自体が現代モノなこともあって読んでいて気が楽。

 

面白かったしまだまだ続きが出来そうな流れだし、公式ツイッターおいしょガール@花魁さんと書道ガール公式 (@oishogirl) | Twitterが作られるぐらい出版社的にも力を入れているっぽそうな感じなので、是非続編が有ることを願ってる。春風さんの半ば黒い方法によって恋愛成就する話をもっと読みたい。

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