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日々放置プレイ

読んだ本と見た舞台の感想

魔法医師の診療記録 2 (ガガガ文庫)

魔法医師の診療記録 2 (ガガガ文庫)

「どんな“妖病”も必ず治せるんです!」魔法医師・クリミアは、どんな治療の場でもその信念を崩さない。彼女は幼なじみ・ヴィクターの“妖病”を治療すべく共に旅をしていた。ある時、二人はドッペルゲンガーと会話する少女に出会い、彼女が首無しの魔物デュラハンから逃げてきたと聞く。理性を持つ首無しの生物。魔法医学においても類を見ない現象。時を同じくして、二人の元に悪名轟く魔法解剖医が現れる。デュラハンの正体、そして二人の魔法医師が持つ異なる信念とは…。魔法医学史上、最も稀な事例を記した第二集。

ファンタジー、医療モノ、バディモノ。
魔法を使った医療である魔法医療を使うヒロイン・クリミアと、彼女の幼なじみで医療体術の使い手であるヴィクターのふたり旅モノ第二弾。

他人には思いつかないものを書くのが天才だとしたら、この作家は絶対に天才だと思う。
そもそもガガガ文庫受賞作の王子降臨からして非常にアレなかんじでスゴかった。

morelovelike.hateblo.jp

それが、なんかものすごい方向にどんどん悪化というか進化を遂げていっている気がする。荒唐無稽にハッタリ科学、破天荒に人間心理を地味にざくざくしていく。

今回の敵はデュラハンデュラハンといえばデュラララでお馴染みだけど、予測してた通り普通のデュラハンじゃなかった。
言われてみればデュラハンってどこに目がついてんだろって思うよな。目がついてないなら前なんて見えないはずだし。それを見て取るクリミアが、おバカなんだけど頭良い感じでててカッコ良かった。
でも今回の敵ってデュラハンって言って良いのかな。どっちかって言うと腸……だよね……。敵は徹底して腸だった。

文章というか、話の科学的な雰囲気がなんとなく浅井ラボされど罪人は竜と踊るを思い出させる部分もあって好き。科学というか、ハッタリ科学? そりゃねーだろ! って冷静になると思えるんだけれど読んでる最中は勢いで連れて行かれる感じが雰囲気的に近いかも。

──鉄鎚聖法〈螢ノ光〉。
 シャトゥイエは、その体内にて酵素ルシフェラーゼとセレンテラジンジサルファイト化合物を生成・分泌できるように肉体改造を受けている。
 セレンテラジンジサルファイト化合物とは、自然界においては、ホタルイカなどの発光生物が体内に有しているものだ。これは酵素ルシフェラーゼと結合することによって酸化し、発光する性質をもった物質──すなわち、発光物質ルシフェリンである。
 シャトゥイエは、セレンテラジンジサルファイト化合物とルシフェラーゼとを常に体内で生成し、貯蔵し続けているのだ。そして、随意にその二つを結合させることによって肉体を発光させ、あるいは、発光物質を口腔より噴射することが可能なのである。

このあたりでされ竜みを感じた。ハッタリ科学で押し込んでくる話は好きなので読んでて面白い。
ただそのハッタリ科学で面白がってると、次第に

斯様に強固な腸管が一昼夜で作り出せるわけがない。果たしてどれほどの乳酸菌を摂取したのか? どれだけの腸刺激体操を重ねたのか?

こういう文章が挟まってきて、なんだかよくわからなくなってくる。とにかく面白いんだけど読みながらどこに連れてかれているのかよくわからなくなってくる。なんなんだこの話。

 

クリミアとヴィクターの二人の関係性が、大事な相手、大切な幼なじみっていうところからそうそう揺らがなそうところがかなり好き。今回初登場の他の女とヴィクターが一緒に泊まることにちょっと嫌がるクリミアも可愛いし、クリミアのことを少女としても大事に思ってそうなヴィクターも可愛い。
このまま二人の関係性がどうなるのかも気になりつつ、どう考えてもまともな流れでは収まらないだろうとも思いつつ。
他のキャラ(主に腸知能体だのそのあたり)があんだけぶっ飛んでるのに、クリミアとヴィクターの雰囲気というか恋愛にならなそうでなりそうでのじれったい感じだとかはどうしてこんなに清純なのか……。読んでて微妙なギャップが面白かった。

 

当然続きは出るんですよね!?と楽しみです。一番好きなノエルが再登場してくれたの本当に嬉しかった!!

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