日々放置プレイ

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魔王と姫と叡智の書 (GA文庫)

魔王と姫と叡智の書 (GA文庫)

「陵辱もののエロ漫画」を描く残念姫と、なし崩し的に原稿まで手伝っちゃう魔王のイチャラブファンタジー、開幕。

ファンタジー、魔王と姫、同人。
魔王っぽくない魔王が、さらわれて連れてこられた姫に気付けば馴染んでいるゆるふわラブコメ

面白かっためっちゃ面白かった。
Amazonのあらすじ通りなんですけど、話としてはあんまし魔王っぽさのない、さらわれてきた姫を陵辱!? ンなこと絶対しないよ!? みたいな常識あふれる魔王が、さらわれてきたエロ同人描きの姫様にエロ同人原稿を手伝わされ、なし崩しに仲良くなっていくタイプの話。
あとがきにも書かれていたけれど、ラブコメのコメディに重心を置いている感じの話でした。

「だいたい、魔王様は魔王として不真面目すぎるんです!」 「だいたい、魔王様は魔王として不真面目すぎるんです!」
「一応聞いておこうか。魔王とはどんな職業だ」
「いいですか!? 魔王なんて職業は薄暗い王座でずっと待機して、無意味に高笑いしては無駄に手下の首を物理的に切るっていう職業なんですよ!?」
「大いに誤解と偏見しか含まれていない私見だな。私はそうした野蛮な行為は好かん」

こんなかんじの清廉潔白、真面目にまともな魔王・ディーが、

「ディー様は三大欲求というものをご存知ですか?」
「食欲、睡眠欲、あとは、せ、性欲か」
「その通りです」
 穏やかに微笑むアンジェ。嫌な方向に話が傾き始めたが、私はじっと堪え続きを待つ。アンジェは静かな調子でこんこんと。
「つまり美味しいご飯を食べ、ぐっすりと眠り……エロ漫画を読んだり描いたりしたいと思う事は、人間の純粋な欲求なのです」

こんなかんじにアレなかんじのお姫様に、原稿の手伝いをさせられる話です。
なんかもうシチュエーションの勝利って言う感じもするんですけど、姫にドン引き、顔はそこそこ好みだけど中身がちょっと無理ですみたいにしてた魔王さまが次第に姫様に(なし崩し的ではあるけれども)惚れていく様が見ていてとても可愛いです。

共に何かをしていくうちに次第に仲良くなる、相手の駄目駄目なところを見てもそこ含めて愛しくなっていくっていうのはラブコメありがちなんだけど、見たダメダメな部分が、芋ジャーでエロ同人描きに必死になる姿っていうのは非常にアレだよ! 読んでて不安になるよ!
でも、魔王様が姫様に対して次第にほっとけないと思っていく様子や相手のことを大事に思っていく様子は本当にすげー可愛くて萌えました。

魔王さまの魔王さまっぽい部分もすごく好き。下っ端の部下に対してもちゃんと対応することで、些細な不満を持たせないのだ、っていうあたりがなんかもうめっちゃいい人じみていて。
触手に襲われた時もそういう理屈で触手に問答無用の攻撃を仕掛けなかったんだよなーって思うとなんかもう真面目かお前は。漫画も読んだことないっていうし真面目か。

姫は姫でなんかはっちゃけてるんですけど、その部分がちょっと読んでて辛かったというか。
なんというか、方向が妙にリアル。
作中でツイッターの描写があるんですけど、ツイッターの文章があーあるあるわかる同人女あるあるだねーっていうかんじの文章だったり、鬱ったときのツイ全消しアイコン卵化のあたりとかあーわかるわかるわかるめっちゃよく見るやつだ!!! これ絶対中身女って速攻バレてるやつだよ!!! って思ってしまって。妙なリアリティでぐさぐさ来る。
あと、姫の、承認欲求から絵を描き始めたのくだりだとか、ネットという匿名の世界で、自分の肩書きなしで勝負してみたかっただとか、すごく地味に刺さるとこがありました。なんというか……姫に関してはすごく変な部分で私の弱いとこにざくざく刺さってきて辛い……。

スマホにエロゲにAmazon(っぽい通販サイト)に同人誌にと、それファンタジーな必要あるの!? みたいな部分も多々あるんですが、さらわれた姫様と魔王っていうシチュ的にはファンタジーじゃなきゃあなあとも思いますし。乙一の失踪HOLIDAYになっちゃうかな。
やっぱりファンタジーじゃなきゃならない世界観の物語なのもあって、ちょっとなんか不思議なかんじだけど読んでる内に可愛いからまあ良いかって思えちゃった。

本当に笑いつつ刺さりつつ面白かったので、つづきが読みたいです。続きポチりました。

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