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日々放置プレイ

読んだ本と見た舞台の感想

水平線の歩き方 10/20 仙台公演

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キャラメルボックス 2015 グリーティングシアター 『水平線の歩き方』| 演劇集団キャラメルボックス

幸一は35歳。社会人ラグビーの選手。
ある夜、自分のアパートに帰ると、部屋の中に女がいた。
どこかで見た顔。彼女はアサミと名乗った。
それは、幸一が小学6年の時に病気で亡くなった、母だった。
親子二人で過ごした日々が、幸一の脳裏に鮮やかに蘇る。
あの頃、母は大人に見えた。
が、今、目の前にいる母は、明らかに自分より年下だった……。

見た人

  • キャラメルボックスを見るのは初めて
  • 上川さんがいた劇団、よくDボが出てる劇団ってことは知ってる
  • 評判が良いので1回見てみたかった

話・演出

主人公幸一が、突然現れた23年前に死んだはずの母に、母が死んでからの23年どんなことがあったのか話していく前半からの、怒涛の後半でした。前半が笑えるネタ多めなのに対して後半の展開すごかった……。まさか前半の流れから泣かされるとは思わなかったです。

 

母が死んでからの23年間となればそれなりに暗い話になりそうなものを、時折挟まれたギャグやかーちゃんのツッコミなどで明るく話が進んでいくのが見てて楽しい。ネタがちょいと古いものから新しいものまで(主人公がラグビー選手なので五郎丸ネタなど時流のものも)あって、すごく笑えます。
かーちゃんと幸一のやりとりが間髪入れずにボケてくるし間髪いれずに突っ込んでくるのが良いんだよなー! 思わず笑ってしまう。
途中で入るかーちゃんの「そんなにうまくいくわけない」から始まる実は義理の母にいじめられてたりは? ラグビーなんて! みたいなツッコミも、幸一は華麗にかわしてうまいこと成功人生を話していく。選手として成功して、怪我もしたけど美人の丸め込み彼女も手に入れてでトントン拍子の生き方で。

でも途中のかーちゃんが見つけてしまった酒の瓶から話が一気に変わってしまう。
「あんた嘘ついてるんじゃないの? 全部作り話なんじゃないの?」「なんでそんなことをする必要が」「あたしを安心させるため」の言葉で、そうだ、かーちゃんに対して見栄を張るために何よりも安心させるために嘘をついてるかもしれない、と思わせるのがすごく巧妙。
よくよく考えると、今までの流れも途中でかーちゃんのツッコミが入ったり幸一に対して言葉をかけて幸一がそれに反応したりと、実際にあったことの再現ではなく幸一の思い出話でしかないとわかる。だから、もしかして今の話は嘘だったのかもしれない、かーちゃんを安心させるためだけのものだったかもしれないと思わされる。
そこからの怒涛の展開。家族に心配させないためのあれこれ、勇気づけたくての言葉、そしてその結果、主治医兼恋人の会話。幸一の、下り坂を転げ落ちるような絶望具合が見ていて辛かったです。阿部先生の「あなたは一人でラグビーをしている、いつかパスをしてくれるのを待っていた」のセリフが本当に痛い。
最後も、『死んだはずの母が目の前にいる』ということを考えたらこの流れはすぐに思いつきそうなものですけれど、全然わかりませんでした。自分よりも年下のかーちゃんと顔を合わせておしゃべりするだけの話だと思っていました。
最後のほうの幸一とかーちゃんの「あんたがいて幸せだった」の会話は号泣でした。

 

なんていうか、見終わってからただただ呆然とあーーーーーって言い続けるしかないようなお話でした。見ていて辛かったし、良かったとおもったし、今後の幸一がどうなるかわからない。そもそも病院で自分の体見つけられるかもわからない。
でも幸一が帰るきっかけになるのが、かーちゃんの作ってくれたおじやっていうのが、なんだかすごく泣けました。

私は幸一よりまだ年下で、そういうふうにずっとそのために生きていたと思えるだけの夢が破れた瞬間は幸運にもまだ会ったことはないです。なので多分彼の絶望はわかってないと思います。更に言えば彼みたいに一人だったわけじゃなくて、だからこそ一人でラグビーをしている感覚もわからない。
でも、見ててとにかくぶわっと泣くような、そういう舞台でした。幸一の叫びだとか、そういうのが本当に辛かった。そして、かーちゃんと会えた時本当に嬉しかったんだろうなあ……って。

細かいことですけど、珈琲やおじや、そこで実際やってるんですね! コーヒーのいい匂いがしました(おじやは泣いて鼻づまりで全然わかりませんでしたw)

劇場

仙台電力ホール。バス停でおなじみ電力ビルの7階。
市営バスに乗り仙台電力ビル前で降りるか、アーケード街を適当に歩いていれば着く。
段差だとかはあんまりよく見ていないのでそこまでしっかりわかってない。

水平線の歩き方 (CARAMEL LIBRARY)

水平線の歩き方 (CARAMEL LIBRARY)

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