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日々放置プレイ

読んだ本と見た舞台の感想

女海賊ビアンカ 9/12マチネ

美内すずえ×ガラスの仮面劇場「女海賊ビアンカ」

イタリア西部。地中海でジェノバ海軍によって捕らえられた海賊船。
船上で行われていた裁判の途中、海賊の中に男の格好をした女が見つかった。
彼女の名前はビアンカ・カスターニ。
ジェノバとは敵対する大貴族の一員だった…。
彼女は和平を結ぶため、ジェノバに嫁に来たのだった。
しかし、結婚を反対する者からの邪魔により彼女は追われる身となる…。
逃げる船上で、海賊に襲われたビアンカは捕らえられ、海賊の一味となってしまったのであった。
 
 
キャスト
唯月ふうか (ビアンカ・カスターニ)
 
根本正勝 (シルバー)
 
神永圭佑 (ロレンツォ)
原嶋元久 (アルベルト)
 
大沢逸美 (レオノーラ)
三田村賢二 (カスターニ公爵)
美郷真也 (マリエッラ)
小西成弥 (ジュリオ)
市山貴章 (キャプテンキッド)   
藤田 玲 (ビセンテ)
 
吉岡 佑 (ジェノバの大使)
 
寺山武志 (マホメット)、高橋里央 (アリ)、北村 毅 (バルバロス)、堀部佑介 (ウッズ)
替地桃子(ビアンカの侍女)、山田美緒(ビアンカの侍女)、佐々木もよこ(ルチア)
大岩主弥、山口侑佑、田中大地、高士幸也、成富健太、中山フラビオ一秋、伊藤 慧、廣瀬湧也、福島悠介、及川崇治、明日香、新橋 和、太田ふみ、奈良里美、大崎朱音、高木真緒、山崎涼子、榊原萌

話・演出について

わかりやすく面白いミュージカルでした。こちらは再演。
あいあなのでそこまで敷居が高くないため、誰でも見やすいタイプとしたのかな。あまり歌のほうに内容説明を含ませないため、少しぐらい歌を聞き漏らしても大丈夫というタイプでした(シャーロック2は歌に全情報詰め込んでくるから頭が休まらなかった)。
どの方も歌めちゃくちゃうまくて、聞いてて耳が幸せ。音を外す人がいるタイプのミュージカルではありませんでした。
アンサンブルさん含めたダンスもめっちゃ綺麗だった! 舞踏会っぽいシーンで後方で黒いスーツ&ドレスの方々が踊ってるんだけれどもこれがまためちゃくちゃ綺麗で! 素敵でした。

話は(原作がそうだから当然だけれども)古き良き時代の少女漫画という感じかなあ。全キャラの立ち位置がわかったあたりで、ビアンカが誰とくっつくか、他のキャラはどうなるかがなんとなく読める感じのタイプでした。おかげであまりやきもきすることなく見ることが出来ました。
当時のスペインだのジェノバだのの地理関係・国力関係がわからなくとも、見ていてなんとなーくわからせてくれる感じが良かったです。

休憩に入る前までの前半でビアンカが国外脱出をするまでの話、後半で海賊になってからのビアンカが主な内容。海賊になってからのビアンカの話のほうが見てて楽しかったですが、少女漫画っぷりはどちらも同じぐらい。
終盤、アルベルトも死んでシルバーもやばい!という状況での回想が、なんというか、めっちゃ漫画のコマ割りとかが想像できる感じで面白かった……w わかるわかる、こういうシーンあるよね70年台少女漫画、という感じ。あの謎の回想。

演出で面白いなーと思ったのは影絵。前方に出てきた木馬を影絵で後ろのものに大きめに写し、その影の馬のたてがみを慈しむように撫でるビアンカというのが見ててすっごく可愛らしかったです。
また、ブラックライトを使った演出が見せ場と思われる部分で多めに使用されていました。腕にブラックライトをつけたアンサンブルの人たちが出てきて、その腕を一斉に動かすというのが気持ち悪くも美しい。

あとから気づいたんですが、殺陣市瀬さんかよ!と。

めちゃくちゃびっくりした。まさか好きな役者さんを殺陣師のほうでお名前見るとは思わなかったので心底ビックリしました。

キャラについて

ビアンカめちゃくちゃかわいかったー! 男子バージョンはよくそれでバレなかったなとも思いますがw
すっごく身軽だしとっても歌もうまい! 海賊連中とぴょこぴょこ動いているときの体の軽さがすごかったです。ひょいと馬跳びしてみせたり。そのくせ歌うときにはきらっきらなんだもん、ほんとすごかった。
アルベルトに対しての態度、前半と後半での違いが見ていてわかりやすくて可愛かったです。前半はとにかく警戒して嫌っていたのに、後半で他に頼るものがいない状態だと一番に頼るあたりが。しかし、なんであんなあからさまに怪しい、自分が婚約破棄されかけた原因でもある(少なくともあそこでアルベルトが彼女を抱きとめなければ……と思う)相手をよく頼れるなあとも思います。そこがビアンカビアンカたるところな気もしますが。
少女漫画のヒロインらしく逆ハー状態みんなが彼女が好き! 状態で、惚れられすぎじゃねーの……と思わないこともないですが、シルバー以外はなんとなく納得が行く感じだなあとも思います。
最初、お姫様なビアンカがお人形のようにきせかえをされるあたりの演技がすごかったです。本当にギコギコとねじ巻き人形のように動いていてすごかった。本当にお人形さんなんじゃないかと思いました。

ロレンツォ様。
一人70年台少女漫画。多分ベルばら属。上記アドレスから見たキャストビジュアルを見ればわかると思いますが一人少女漫画。まさか後半でも登場シーンがあると思わずびっくりしました。主人公の初恋の相手でありしかし主人公が初恋を諦めるための相手であり……けれども彼自身はまだ主人公に思いがあり……と、なんというか、少女漫画の都合の良いキャラという感じはするのですが、良い人でした。私結構この人好きです。

シルバー。立ち位置を見てもわかる正ヒーロー。めっちゃ声のいい人。前半の出番は少なめですが、後半ガッツリ出てくる人。前半の出番でこいつはロレンツォの兄か弟だな! そんでもって最後ビアンカとくっつくな! ということまでなんとなく分かる程度の人です。
いやでもこの人ほんとかっこいいの、めちゃくちゃかっこいい。ダンスもキレッキレだし頭脳もキレッキレだしビアンカに対する愛もキレッキレ(しかも女とわかっても言わずにいる優しさもある)だし歌もキレッキレだしですごかったです、めっちゃ格好良かったです。正ヒーローの貫禄。
この人らが説明する海賊のルールが見ていて笑いました。福利厚生しっかりしてんなあw こんな海賊団だったら私も入りたいわw
殺陣の時の動きがすごく邪道なんですよね。マントを使ったり剣をひょいとつきだしてみたり。動きが面白い感じでした。
ビアンカが女だとわかっているのに言わずにいた7年、本当に良い人だと思います。船長権限でヤることヤっちゃったり、やろうと思えばその他諸々出来ただろうに、彼女のことを思って見守ってくれていたすごい良い人。しかも、敵に花を状態になるとわかっていたのにアルベルトを通してドレスを送るあたり、彼女のことをわかってくれている素敵な人だなと思います(多分ロレンツォに嫁さんいることも知ってたろうし、自分がその後出て行くことも計算してそうな気もしますが)。それなりに船長権限使ってビアンカが女バレするのをうまいこと防いでいたんだろうなーと、見ていて思いました。

アルベルトは今作の切ないトップじゃないかと思います。ビセンテには「私の最高傑作!」なんて言われてて「まだちょっと人の心が残っている部分がある」なんて感じのコトも言われているけれども、めちゃくちゃ人の心残ってるじゃないですかー! というか、陶器のようななんて表現されてますが普通に人でした。
ビアンカを守るうちに次第に恋してたんだろうなあ、というかんじ。見ててちょっとずつ海賊団の連中と打ち解けていくのが可愛かったです。最初はダンス全然一緒にやらないし、ビアンカがやってても(なにやってんですかビアンカ様)というかんじで見てたので、突然7年の月日が経ったシーンで楽しげにダンスしてクルッと回ったあたりでとうとう狂った!?この状況つらすぎて狂った!?と本気で心配になりました。狂ってなかった良かった。感化されただけだった。
前半のねっとりとした録音されたものじみた喋り方から、後半のただちょっと暗い人ぐらいの喋り方の変化が好き。人として馴染んでいった結果なんだろうなと思います。
元々彼がビセンテから命じられたのってなんなんだろうなーと。ビアンカお嬢様にくっついてて悪いうわさになるようにしろとでも言われたのかな。それにしては酒に薬をいれたりとしていたのですが。よくわからない。
ビアンカに頬にキスされたあたりでの心情吐露だとかもうめちゃくちゃ切なかったです。「自分は光に付き従う影」本当にそう思って彼女の影であったんだろうなあ! 立ち位置的にも絶対にかっさらわれる当て馬ポジションなのがわかるからなおさら。でも彼がビセンテを殺せたんは良かった。本当に良かった。
マントの扱いが慣れてないのかな? よく頭に引っかかったりひっかぶったりしてた印象があります。

ビセンテはなーーーーなんというか、私はこの人を見に来たはずなんだけれども普段と違いすぎて誰だかわからなくて焦りました。いつもとめっちゃ顔違う。誰だおまえは。でも剣の動かし方がまんまいつもの藤田さんでホッとしました。あのくるっくる回しまくるあれ。涼邑零かと思った。
THE・悪い人! という感じの悪い人でした。だいたいなにか悪いことが起きたらこいつの策略。
殺陣がうまかったです。邪魔そうなマントも全く邪魔にせずにくるっくると動き回りながらの殺陣がかっこ良かったです。シルバーとの戦いがかっこよかった。かなり正統派な動きをしてた印象です。シルバーが邪道めな動きをしていた分そのあたりが記憶に残りました。ただ安定して左手が暇そうだなと。ビアンカの剣奪ったところで剣使うのかな!? 片手暇そうだし使うかな!? と期待したら使わなかったーーーーーという。完璧に左手のに。 アルベルトを「私の最高傑作!」なんて言っておきながら「あれは……7年間連絡が取れなかったアルベルト……!」と、7年も死体を確認せずにほっぽってた適当な人。頭が良い人な印象付けもあったのですが、抜けてるところもあるなーというのが強かったです(主にアルベルト関連のせいで)。せめて死体を確認しとけ。
個人的に去年あたりにこじらせたあれこれがあるので、根本さん(シルバー)との共演と殺陣が嬉しかったです。

 

カテコで! カテコ2回めで、いつまでも手を振っているアルベルトを、ビセンテが肩軽く叩いて(手をおいて?)幕の中に一緒に入ってったのが良かったです。最高傑作ってことで手塩にかけてた時期もあるのかなあとかいろいろ考えた。

劇場

みんな大嫌いあいあちゃん。原宿駅から南西にまっすぐ言って曲がってまっすぐ。
トイレは綺麗な仮設トイレなので一見の価値あり。是非一度見ておいたほうが良いです。入ればわかる、綺麗な仮設トイレの意味。
椅子は野球場の椅子の座面が折りたためるようなやつ。同じ列の誰かが身動ぎすればわかります。2時間ちょい座ると背中と尻が痛い。休憩時間に尻をもみほぐしたい。
防音は静かなシーンだと外の音楽が聞こえてくるレベル。荘厳なシーンほどよく聞こえそう。
音響が悪いのか、センター近い位置に座っても音が結構不安定。割れそうなギリギリのところなので、いつかもっと音響が良い場所で聞きたいなとも思いました。

なんであいあを2.5次元シアターなんかにしたかなあ……と改めて思える素晴らしい場所でした。

お話

男勝りで剣を振るのが好きな少女、ビアンカ・カスターニ。白馬の王子様に憧れる彼女のところに持ってこられたのは、隣国の貴族ロレンツォとの婚約。どんな相手だろうといざ顔を合わせたロレンツォは好青年で、ビアンカはあっという間に恋に落ちてしまう。
その日の夜、ビアンカはロレンツォとの婚約のことをとある青年にからかわれる。彼に対し喧嘩を売るビアンカ。青年はあっという間にいなくなってしまう(これがシルバー)。
ところで、ビアンカの結婚を良く思わない人間がいた。ビアンカの伯母であるレオノーラ。彼女は軍人ビセンテに彼女の婚約をうまいこと破棄させろと言う。ビセンテは、自分の最高傑作と評する青年アルベルトをビアンカの護衛とすることを提案する。
ビアンカの護衛となったアルベルトは、彼女がどこへ行くにもついていく。手を差し出しどこへ行くにもエスコートしようとする彼の姿は、市井の間でももしかしてビアンカとデキているのでは? と話題になる。怒るビアンカだが、機械のようなアルベルトは全く気にしない。
そんな日々が続く頃、アルベルトについての噂がロレンツォのほうへも届く。噂の審議を確かめるため、ロレンツォの姉がカスターニ家へとやってきた。間違っても不備など見せてはいけないとしていたビアンカだが、ビセンテと彼の手下であるアルベルトの卑劣な罠(ビセンテビアンカに薬入りの飲み物を飲ませ、倒れこんだビアンカをアルベルトが抱きとめる)により、二人の間に不貞があると思われてしまう。
ロレンツォの幸せのために即刻帰って二人の婚約を破棄させようと急ぐロレンツォ姉。ビアンカはまだうまく動かない体で彼女に弁明をしようと向かう。しかし、ロレンツォ姉はさくっとビセンテによって殺される。ビアンカがたどり着いた時にはすでにモノ言わぬ死体となったロレンツォ姉と短刀が残されていた。
うっかり短刀を握ってしまったビアンカ、そこをちょうど父とロレンツォ姉のメイドに見られてしまう。殺していないというビアンカ。父はその場にいたメイドを殺して口封じをし、これから屋敷に火をつけビアンカとロレンツォ姉、メイドの死を誤魔化すと告げる。そして、ビアンカはアルベルトを連れ、知り合いのいるギリシャへと逃げろと言う。
ビアンカは自らの髪の毛を切り落とし、これからは少年ニコロとして、アルベルトの弟として過ごすという。

速攻でとっつかまったビアンカ(ニコロ)&アルベルト。負けん気を見せて奴隷市場で騒いだビアンカは、海賊の一人と剣で勝負を行う。見事勝利したビアンカの強さを見込んで、海賊の副船長シルバーは二人一緒に買い取るという。
海賊なんてち渋る二人に対し、海賊船の掟を歌って聴かせるシルバー&海賊団の一味。女を犯すことは厳禁、きっちり船出のための許可証も得ている、福利厚生ばっちりで指一本なくしたりしようものなら半年分の給料もしくは奴隷のどちらかを選べるなど。(この時福利厚生を聞いてめっちゃびっくりするアルベルトが超可愛い)
そして、海賊船の船長であるキャプテン・キッド。腕っ節はからきしだが、仲間の良さとそして頭の良さでやっていっている老人。彼に、ビアンカは海について教えてほしいととにかく絡んでいく。そんな彼女を過去のシルバーに似ているとキッドは笑う。(このあたりでビアンカがロレンツォからもらった指輪を落としてシルバーが拾って彼女の正体に気付く)(多分)
そんな海賊団の暮らしも、気付けば7年。最初は機械人形のようだったアルベルトも馴染み、表情を浮かべたりもし始める。ビアンカもしっかりと馴染み、少年として生きている。
シルバーに船長の座が譲られる。喜ぶ皆の者。
ある日、アルベルトが、近くを通るロレンツォの船が襲われるという話をキャッチする。その船を助けてくれと頭を下げるアルベルトとビアンカ。渋る海賊団の一味だが、シルバーの一声で助けることとなる。襲われる船に乗り込んだ海賊団の一味はロレンツォに敵対する連中(ビセンテらスペイン一味)を片っ端から切り伏せ助ける。シルバーvsビセンテなども有り。有難がったロレンツォは、今晩この近くで行われるロレンツォ歓迎の宴にぜひとも彼らを招待したいという。
ロレンツォの正体に浮足立つビアンカ。そんな彼女へ、アルベルトがドレスを持ってくる。ありがとうと言って抱きつき、彼の頬にキスをする。ビアンカがいなくなってから、彼女に対しての心情を吐露するアルベルト。彼女は光であり自分は陰、自分は彼女に付き従うものだと叫ぶアルベルト。
ビアンカはロレンツォ正体の宴へと向かう。気合を入れて指にロレンツォより貰った指輪をつけて準備万端。ロレンツォよりダンスに誘われ踊る。流れた曲はロレンツォとビアンカが初めて一緒に踊った曲と同じもので胸をときめかせるビアンカ。しかしダンスが終わってから他の人々のざわめきの中で「あんなに仲良さそうにしていたら国にいる奥様に云々」という声が聞こえる。すでにロレンツォが妻帯者だったことにショックを受けるビアンカ。そんな彼女の前に、目深に帽子を被ったシルバーが現れダンスを一曲と手を差し出す。シルバーと気付かないままダンスを踊るビアンカ
話変わってビセンテ。先日のロレンツォ襲撃事件の時にアルベルトとビアンカっぽい人間を見たビセンテ、彼らを殺すことを画策する。また、ついでに一緒にビアンカ弟も片付けてしまえということに。ビアンカ弟には「キミの姉が海賊団に捕まっていた」ということで、一緒に救出しようと連れて行くことにする。
襲われる海賊団。なんやかんやで戦ってビセンテビアンカの前に現れる。追い詰めるビセンテ、しかしそこにアルベルトが登場する。ビアンカを庇ってビセンテと戦うアルベルト。押されるアルベルトだが、自ら刺されながらもビセンテの首のあたりを刺す。倒れこんだビセンテに馬乗りになったアルベルトは、ビセンテの胸へと短刀を突き刺し殺す。しかしアルベルトも瀕死の重傷を負っていた。傷は浅いと励ますビアンカだが、すでに死期を悟ったアルベルトは、実はあの時ドレスを渡したのはシルバーの差金だったと告げる。自分がいなくともシルバーがいるからと言い残し、アルベルトはビアンカの腕の中で死ぬ。
その頃シルバーも窮地に陥っていた。自分のせいで誰も彼もが死んでしまう! と思ったビアンカ。今まで彼女の周囲で死んだ人たちの回想。そしてビアンカは、自分がニコロという少年だと思われていたビアンカ・カスターニだと叫ぶ。
そうして、最終的に多分ビアンカとシルバーは共に逃げ出してどこかで一からはじめましたとさエンド。

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