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日々放置プレイ

読んだ本と見た舞台の感想

魔法医師の診療記録 手代木正太郎

魔法医師の診療記録 (ガガガ文庫)

「吸血鬼、狼男、食人鬼などの化け物は存在しないんです!!」
それらは皆、魔術で癒せる“妖病”の罹患者だと魔法医師・クリミアは言う。彼女は己のせいで“妖病”を患った幼なじみ・ヴィクターの治療法を求め、共に旅を続けていた。その道中に訪れた街で二人は微かな手がかりを得る。しかし、そこは吸血鬼たちが跋扈する、奇妙な街で…?
“妖病”を認めぬ教会と魔術医師の対立、異端尋問官との戦い。そして、吸血鬼の治療。ここに“妖病”へと立ち向かう二人の診療記録が記され始めた。魔法医学の最先端がいまここに!!

ファンタジー、洋風、ファンタジック鍼治療モノ。

著者の王子降臨が大好きだったため、そのノリで購入。
てっきりあっち系のぶっとび和風風味ファンタジーかと思ったら全然違いました。正統派ファンタジーでした。王子降臨みたいな頭のぶっとんだキャラが出てくるのかなーと期待してたら良い意味で肩透かしを食らった気分。

主人公は、鍼を使ったファンタジック治療を行う魔法医師・クリミア。鍼を使って術式を展開し、手術に必要なライトや防菌結界なども発生させ、なんてとてもファンタジックだったのですが、行うのは開頭手術など。鍼で頭を開けるあたりまではめっちゃファンタジーっていう感じなんですが、そこから病巣を特定しメスで切り取りという展開は至極まっとうな(?)手術でした。
どんな相手であろうとも患者ならば治療をするという、そんな少女クリミアと、彼女に治療されるために共にいる幼馴染ヴィクター。ヴィクターの治療にはとあるアイテムが必要で、二人はそれを探す旅をしています。
そして、そのアイテムの噂を聞きつけ向かった先の町では、吸血鬼病が蔓延中。そしてアイテムの持ち主たる人は吸血鬼病にかかっていたのです。宗教上の理由によりクリミアの魔術医療にかかりたくない持ち主、患者ならば見過ごせないというクリミア、お前なあ……と溜息をついてるヴィクター。

このヴィクターとクリミアの関係性がめっちゃいい!
ヴィクターは持病のせいでクリミアに定期的に治療をしてもらう必要があります。そのためクリミアから離れられない、なんて言いながらも、治療のために一直線で危なっかしいクリミアから目が離せないっていう感じがすごく可愛い。
クリミアは必死で治療を行ったり危ない目にあったりしてるのは最終的にはヴィクターのためだよな! って思うとやっぱり可愛い。彼女ならではの圧倒的正義感もあるのだろうけれども。

2人のやりとりがもうめっちゃくちゃ可愛い。

「馬鹿! お前、俺の話を聞いてなかったのかよ? 鉄鎚がいるんだぞ」
「はい! 聞いてます! 急いでサミュエルさんを助け出しましょう!」
 元気に答え、クリミアはジャクリーヌの背中を追いかけて行ってしまう。
「全然、聞いてねえじゃねえか! 馬鹿!」

こういう突っ込んでいくキャラとその背中を追いかける苦労性のキャラ大好きなのでサイコーに素敵です。

この作者さんの話なのでまあ多数死ぬんだろうなと思ってたんですが(王子降臨)むしろ案外死ななかった印象です。王子降臨のときに味方キャラが片っ端から死んで行ってた印象が強かったのかも。
最初のほうでも書いたんですが、王子降臨のぶっ飛び感を想像して読んでたのですが全然違いました。ぶっ飛びキャラも全然いないし、技でこれは……と思ったのも『鉄鎚聖法〈腸車〉』ぐらいのものでした。でもこれだけでもすごくアレっぽさある。素敵。

読んでて一番生きて! お前はそれでもとりあえず生きて! と思ったキャラがノエルなんですが、ラストまで読んで「ノエルうううううううてンめえええええええええ!!!!」となりました。誰があそこからのそれを想像する。そこを含めてサイコーです。

ところで、amazonで『著者の第7回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作『王子降臨』(全2巻完結)も要チェック。 』とあるんですが……完結したのですか……嘘でしょう……。王子はまだまだ見つけきれてないのでまだまだ続くと思っていたのですが……嘘でしょう……。ショックです。1巻が賞を取った時の選考者コメントで購入決意したぐらいに好きです……。
この作者さん手代木正太郎さんのお姉さんが聖闘士星矢THE LOST CANVAS描いてる手代木史織さんだということで、どっかでここのコラボが見られないかなーと期待していたり。

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