日々放置プレイ

読んだ本と見た舞台の感想

江戸剣客遊戯(2) 侍ふたり、暴れて候

江戸剣客遊戯二 侍ふたり、暴れて候 (新時代小説文庫)

近頃市中を騒がす辻斬り。その現場を茶屋の看板娘お里が見てしまったことでその身が危うくなった。近侍を務める新伍に請われ、彼女の護衛をすることとなった柊虎之介。彼が転がり込んだのは、よりにもよって橘隆志郎の長屋だった。天の悪意と呼ばれたふたりの侍が、再び太平の世に暗躍する悪を斬る!

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こちらの第2巻。1巻が面白かったので、先日のKindle安売りのときに買ったのを読んでみました。

いやー面白かった! 相変わらずの面白さだった!
隆志郎と虎之介の掛け合いが相変わらず楽しくて! 仲が悪いわけじゃない、でも絶対に良いわけじゃないみたいなやあやあした言い合いが好きなので非常に面白かったです。
何にしても金と損得勘定が計算の第一にある隆志郎と、戦が出来るかできないかが頭にある虎之介。絶対に性格合わなそうな二人なのに、なんだかんだでつるんでいるのが面白くてたまらない。

 翌日、虎之介は、朝、昼と隆志郎の米を食べつづけた。
「貴公、少しは遠慮というものを知らぬのか!」
「これでも、気を遣って食べておるのだぞ。おかわりはしておらぬであろう」
「自分の米くらい自前で調達しろ!」

こういうやりとりにすごく弱い。楽しそうでたまんない。 というか、ただの戦闘に特化した戦闘馬鹿だと思っていた虎之介が、今回案外に頭よくてびっくりしました。玄馬殿を脅してうまいことお里さんの護衛をするあたりなんかの話のうまさにびっくりした。いや、これから起こる戦いにテンション高くてそんなの言えたんだろうなとは思うんですが、まともに思考できたんですね……。
でもやっぱり、ただの戦闘馬鹿してる時の虎之介が一番好きです。

「その顔、なにか言いたいことがあるのかい?」
「火付盗賊改の目明しとはいえ、無関係なものを囮にするなど、心苦しいだけだ」
「あれでも捕り方の端くれなんだから、大丈夫だって。辻斬りを捕縛すれば、奴の手柄にもなるんだから」
「貴殿には罪悪感はないのか」
「そうは言われても、それこそ無関係な町人を囮にはできんだろ」
「だからと言ってだな」
「なら、虎の字は辻斬りを誘きだすのはやめるかい」
「わかった。囮を使おう」
 虎之介は即答した。
「目明しには気の毒だが、江戸の町の平和のためだな。目明しにもしものことがあっても本望だろう」
「貴公、ついさっき言っていたこととかなり違うぞ」
「辻斬り捕縛のためだ。少々の犠牲はいたしかたあるまい」

彼のこういうところが最高に好きです。駄目だ最高。ただのばか。

流星の旦那も、あれだけ格好良く最後に見得を切って江戸家老にやり返しておきながら、結局最終目的はこれだもんなあ。そういうところがたまらないです。
前回はラストにちょこっとあった隆志郎の過去っぽい部分、今回はちらほらと全体に見えていた感じで、彼の過去が気になります。どっかの大名のところかなにかで仕えてて、その頃は真剣使ってた? のかな? 謎が多い良い男。

出番は少なかったですが、新伍がどんどんいい男になってて素敵です。お里さんを護衛しろと虎にいうところは当然。最後、家を取るか弱い人を取るかという選択をしてみせたところがすごくカッコ良かった!
家臣としては家をとってほしいし改易なんて絶対あっちゃならんことに違いないのですが、それでもそこでお里さんを取ろうとする新伍殿は格好いいなーって思いました。
まだ若いし思考も幼いところがあるんだけど、そんな新伍殿の先が楽しみです。さらに言えばいつか流星の旦那を一時的にでも家臣に迎えることがあったらいいのにwなんて思っています。

 

本当に面白いので続刊期待です。出るとしたらいつなんだろう。同じ作家さんの別作品も読みたいです。

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