日々放置プレイ

読んだ本と見た舞台の感想

幻の城 -大阪夏の陣異聞

幻の城  -大阪夏の陣異聞 新装版 (祥伝社文庫)

もっと歴史舞台で幻の城の上演されるということで、今年初めに見た真田十勇士真田幸村に興味を持っていたこともあり読んでみました。

時は戦国、大阪の陣の始まる頃。大阪城に入った幸村は、現状の大阪城のまとまらなさを憂い、誰かちょうどいい総大将はいないかと考える。そこで思いついたのが、八丈島に島流しにされている宇喜多秀家だった。彼をひっそりと連れてくるために、幸村は八丈島へ、根津甚八ら信頼のおける家臣らを遣わす。
徳川方の邪魔者を退け、こちらにも被害を受けながらも八丈島にたどり着いた彼らを待っていたのは、島流しにされているうちに気が狂ってしまった宇喜多秀家だった。彼を連れて大阪へ戻るのか、それともこのままにしておいたほうがいいのか。そして大阪の陣の結果は。
と言った感じの物語でした。

一般的に真田十勇士と言われる面々が、さくさくと死んでいくさまは圧巻でした。まず出だし30ページで猿飛佐助が死ぬ。はええ。猿飛佐助って知名度で言えば、メインレベルじゃないのか。速攻死ぬ。
それ以外のキャラもさくさく死ぬ。モブの如き勢いで死ぬ。一休みして喋ってる最中に砲弾に頭ふっ飛ばされて死んだり、戦闘後気づいたら死んでたりする。はええ。
なんというか、読んでいるうちにトップスピードでかっ飛ばされていく感じでした。あと、こいつが死んだら忍びとの戦いがやばくなるな……みたいなことが地の文で出てくるのにその後の忍びとの戦いは特になかったとか。そこまで言ったらちょこっとやりあって欲しかった!

でも、そんな彼ら結構魅力的で好きです。

「生憎だったな。わしの海野はでたらめよ」
 照れたように頭を掻いて、六郎は言った。
「でたらめ?」
「そうよ。海野城の海野とはまったく関わりはない。戦さに出ると、いつもぎりぎりのところで生き延びてきた。なんて運のいい野郎だと呼ばれているうちに、運のいい海野になったのさ」

こういう海野さんの面白かわいい感じすごい好きでした。いつもわんこ2匹連れてるあたりだとかとにかく可愛い。
キャラの生きてるところはすごい魅力的なんだけど、でも死ぬとこが超さっくり! めっちゃあっさり! 野菜炒め塩コショウなし! っていうかんじなので、あー死んだなーというかんじであまり精神に痛みがない。

そして、彼らが連れてこようとしていた宇喜多秀家。彼は八丈島にいるうちに気が触れ、彼の家臣だった男もわからなくなり話しかけられてもろくに反応せず、時折まるで正気に戻ったような言葉をかけたりするもののすぐにまたおかしくなる。
最後まで読み終わると、本当に彼が狂っているのかやはり狂ったふりをしていただけだったのか、どこである程度正気に戻ったのかわからなくなりました。

「甘いのう。おなごが惚れたら意のままになると思うか。おなごは惚れたら男を意のままにしようとするのじゃ」
「それは……」
 どこか違うような気もする。
「よいか、真田のあの太閤ですら、淀の意のままにされてしまったではないか」
「しかし、太閤さまは、ご自分のほうが夢中になってしまわれたからでは」
「莫迦を申せ。逆じゃ。太閤はおなごには惚れぬ男ぞ。あれは、ただ旧主を――信長の妹の娘を組み伏せたかっただけのことじゃ。淀どのは太閤の力に惚れ、そうして太閤を意のままにしたのじゃ」

このあたりの頭の良さそうな会話だとか、絶対知性の色があるのに、次の瞬間にはまた狂人に戻る。狂人の演技は出来ないと忍びらがいうけれども、結局彼はなんだったんだろうか。

秀頼を、いつか徳川に対しての攻撃手段とするために薩摩に移動させたあたりで、なんとなくもしかして江戸時代の最後となる明治維新が、西から来る彼らの手によってもたらされることが繋げられているのかなあと思いました。赤真田も「海の向こうから見ている!」と言っていたけれども、それと同じように薩摩の国から見ていて、最後そこに繋げるのかと思っていました。

 

ところで、元々読んだ理由が前述の通りもっと歴史舞台で幻の城の上演されるという理由でした。まだ配役発表がないので誰がどれになるのかなーとか考えてみるのが楽しいです。
でも、内容的にもっと人数多くないと無理そうだけれどもどうするんだろう。今後追加キャストでもするんでしょうか、でももうチケ始まってるし、このPは確実に稼いでいく方向に頑張るからそれはないだろうなーと思います。

おそらくやましげ家康、あと女性陣はお豪の身代わりっぽい人と淀君は確定として。
物語の中身からして主人公が幸村なのか根津甚八なのか宇喜多秀家かわからないのですが、キャスト登場の順番的に上の三人でこの三人を分け合うのでしょうか。さすがに宇喜多秀家がトップはないだろうから、根津か幸村を、っと考えると、名前出ている順番から根津甚八真田幸村宇喜多秀家……かなあ。山本匠馬さんによるこの話の宇喜多秀家はとても見たいので、もしそうだったらアリだなと思います。狂っているのかいないのかわからない、時折正気なシーンを見せるやましょはとても気になります。

ただ、出ているキャストで残り4人を全部カバーできるのかと言うと結構難しい気がします。
物語を九度山にいるシーンほぼオールカットすれば真田父と佐助の出番が消せる、でもどう考えても海野六郎望月六郎はいてほしい、あと取次役として江島さんも必要だろう、秀頼もさすがに必要だと思うしあの宇喜多秀家を一人でいさせるシーンは流石にどうかと思うから宇喜多んとこの家臣か奥山は必要だろう、でここで既に人数オーバーになりました。
脚本家さんがどういう改変を加えるのかが気になります。なんとなく以前見た里見八犬伝と方向性的には近いものがあるので確かに脚本家さん合ってるかも。
ただ、更に伊賀忍者との乱闘がどう考えてもあると思うのでその分のモブキャスト、海賊団の海賊連中……とかんがえると更にモブが必要になると思うので、どうするのかが気になります。望月六郎の存在自体消して、海賊との移動シーンを全部消しとかかな。それだと海賊団も船上戦での伊賀忍者もオール消せるので。でも望月六郎さんが自分の名前を明かすシーンがものすごく好きなので、このあたりカットされたら悲しいなあ。
マルガリータとは違う脚本家さんですけど、マルガリータの時は無理矢理数人出番作ってたしああいうこともするとしたら、いくつかのシーン自体のカットと謎の追加もありそうな気もする。

前回の~戦国の天使たち~というサブタイは気でも狂ってるのかと本気で思ったのですが(天使なら彼らはあんなに悩まなくて済んだだろとかなんか色々すごく思った気がする)、今回の~戦国の美しき狂気~は、なるほどひねりもなにもないけど正しいなと思いました。
ただ、サブタイで戦国の美しい狂気=宇喜多秀家のこと出してると主役は宇喜多か? とも思うんですが、物語的には真田幸村もしくは根津甚八だと思ったんだけどどうだろう。宇喜多の美しいところは外見だけではなくその中に持っていた思想思考含めた全部だと本を読んだときには感じたので、ぴったりだなあと思います。

Pの前回のやりくちとか改変具合とか俺地図の合わなさとかがいろいろあるので見るかどうかは評判がよほど良くなきゃまあまずないだろなって思うのですが、気になることは非常に気になっています。