日々放置プレイ

読んだ本と見た舞台の感想

リリー・フィッシャーの難儀な恋

リリー・フィッシャーの難儀な恋 (ルルル文庫)

男気あふれる女子力低めヒロインと、仕事上の理由でオネエを演じている青年のお話。

青年エドワードはマジオネエではなく、仕事上の理由でオネエを演じている偽装オネエのため、実際は思考・性癖ともにどちらも普通に男性。そんなこととは全く知らないヒロイン・リリーは、友人から頼まれた『最近友人エドワードが変っぽいから調べてもらえないか』という頼みを叶えるために、彼に女らしさを伝授してもらいたいと近づく。

このエドワードがなかなか曲者。もしくはしたたか。
現状オネエとして過ごしているのをいいことに、事あるごとにリリーに抱きついたりくっついて座ったりしている。こいつ……自分の立場をむちゃくちゃうまく使ってやる……! と読んでてこっちがちょっとハラハラしてくるぐらいにくっついています。
一応理由があってのオネエではあるものの、リリーに対しての時に関しては理由もなにもなく彼女に警戒心抱かせず一緒にいるためみたいなのが透けて見えるので、こいつ……w とならざるを得ない。

「その図体で別に声色を変えているわけでもないのに、口調も仕草も滑らかだから、不気味なほど自然なレディっぷりだ。一体どこでその技術を身につけた? やはり、この世で最も可憐なレディである、私の愛しい人を幼い頃から見てきたせいか?」
「残念でしたね、逆です。ダリアに礼儀作法を仕込んだのが、私なんですよ。ほほ、私のこれは幼少期からの強制おままごとの成果ですわ。姉が二人に妹が二人、さらに幼なじみも女性。周りが全員女という環境で育てば、こんな演技朝飯前ですもの!」

このあたりで彼の悲哀が見えているけれども。女子に囲まれた男子って色々とかわいそうなことになりがちなので、彼の幼少時を想像すると涙がでる。

リリーは可愛くてかっこいい! 男気あふれるヒロインは素敵で良いなと思います。困っている人がいれば助けずにはいられないし、多数対一人でいじられているのを見ると啖呵きって突っ込んでいかずにはいられない。そして相手がオネエであろうとも扱いは女性として扱う。

「じゃあリリーちゃん、いってきます」
 可愛らしく語尾を上げて手をふるエドワードに、赤い顔を隠しながらも告げる。
「気をつけてね。変なところを触られたら、ちゃんと助けを呼んでよ!」
「うん、それは私の台詞ね?」

外見ならば普通に青年のエドワードの変なところを触る人は殆どいないと思う。
よくやった遊びは? と聞かれて素直に「素潜り」と答えられるセンスも最高です。事実だけど!

それと、読んでてサブキャラもとても魅力的でした。自分の恋人について話すときに必ず「私の可愛いダリア」「私の愛しいダリア」などと前に形容詞をつけまくる殿下がのろけっぷり全力で爆笑です。
名前は出てきていないのですがリリーの兄と父も最高。大好き。リリーを全く女性として扱わず、うちの息子! 弟! という扱い。困った人がいたら助けなきゃあうちの息子じゃないですよ、みたいな謎の信頼とおかしな感覚を持ってる兄と父最高でした。実家のねーちゃんレベルの扱いのままいて欲しい。

今後うまく恋人となったエドワードがリリーに対してオネエ言葉を使うのか、それとも普通に青年として過ごすのかが気になります。青年状態のエドワードに対してはリリーがちょっと慣れてない様子なのでオネエ状態で対応しそうな気もする。今後がきになるので、出来れば続刊希望です。

本自体にはほぼ全く関係ないのですが、お仕事オネエのエドワードを見ていて、以前見に行った舞台の『ユメオイビトの航海日誌』を思い出しました。

morelovelike.hateblo.jp

あれの藤田玲演じるマカオもお仕事オネエだったなと。あのお仕事オネエはあんまり好きではなかったのですが、彼も彼でエドワードと同じく嫌だけれども上司にいわれて考えた結果があのオネエだったのかと思うとなんか少し許容できる気がしてきました。ありがとうエドワード。

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