日々放置プレイ

読んだ本と見た舞台の感想

劇団わらび座「ジュリアおたあ」 6/26 若林区文化センター

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ミュージカルジュリアおたあ | 劇団わらび座

秀吉による朝鮮出兵により、親も故郷も失った少女おたあ。
戦場を彷徨っていたおたあは、やがてキリシタン大名小西行長の家臣と出会い、日本に連れて行かれることとなる。
行長たちの愛情を素直に受け止め、おたあは日本で明るく暮らしていくが、どうしても消えない祖国への想いや、孤独が彼女を苦しめる。
そんな中、行長を通じて触れたキリストの教えが彼女の心の支えとなっていった。
やがて洗礼を受けたおたあはこの国で強く生きていくことを決意する。
だが、そんなおたあに再び過酷な運命が訪れる―。

ジュリアおたあ/椿千代
捨吉/平野進一
ジュスタ/飯野裕子
小西行長/岡村雄三
徳川家康/渡辺哲
おもん・お勝/鈴木潤
お万/高橋磨美
おカネ/白井晴菜
太助/笹岡文雄(座友)
医師・伊助/安倍幸太郎(劇団M.M.C)
嘉一/黒木友宜
 六郎/千葉真琴

原案 鈴木哲也、 脚本・演出 鈴木ひがし、 脚本・作詞 高橋亜子
作曲・音楽監督 甲斐正人、 振付 坂元宏旬

見た理由

原案に鈴木哲也さんの名前があったので。里見八犬伝初演はかなり好きだったので見たいと思いました。
それと、劇場というか会場が家や職場からかなり近いので、仕事帰りに観劇というめちゃくちゃ夢のような現実を実行できるぞー! といことで。

話について

事前情報を全く調べずに行ったのですが、人種モノ+宗教もので苦手なものダブルコンビでした! というのにも関わらず、とても楽しく見れました。
1幕がなんとなく人種差別に関してで、2幕が切支丹についてなのかな。
禁教令や切支丹追放令は、どちらかというと秀吉の時代のほうが強いものかと思っていたので、家康があれだけのことをしてたのかーとちょっと驚きました。

おたあよりも捨吉の心の変化を見るのが面白かったです。物語の主人公はおたあで間違いないのですが、おたあは基本的に何よりも誰かを助けたいという軸があり、そのために動いている、それにプラスで神を信じるという部分がある子なのであんまりブレないです。なのであんまり彼女をめぐる周囲の状況は変わりつつあるけれども彼女自体は変わらない。
対して捨吉は、彼の周囲の状況はあまり大きく変わらないけれども、おたあのおかげで人を信じることを知ってありがとうって言われることを知って彼女のために動き……と、人間不信状態からの変化が大きかったため、彼を見るのが面白かったです。

おたあ草は話の出だしだとよくわからなかったのですが、最後のシーンを見て天使か何かの一種かな~と感じました。捨吉が手袋を外して他の草から手渡されて着替えるあたりで特に。
彼女を見守る天使かなにかで、それが草でもある……みたいな感じなのかな。

複数人の群像劇モノを見るのはあんまりないのですが、誰がしゃべっているのかわからないということが複数回あって、今までではない感覚でした。捨吉があんまり良さそうでない着物を着てるのでもっとガラガラ声の人が出てくるのかなーとおもいきやめっちゃ綺麗で……。なんだあれは。

ミュージカルを見るのがあんまりないんですが(スリルミーとシャーロック2しか見たこと無い)、台詞に含まれる情報量が少なめなので、聞き逃したらヤバイということがあまりなかったです。感極まると自分の感情を乗せて歌い出すっていう感じなのかな。
今まで見た2作品だと、状況を話し事件に関する証拠を話しこれからどうするか話し、というように歌に込められた情報量が非常に多く話についていくためには歌を聞き逃した瞬間一発アウトだったのですが、こちらはそういったことはなく、少しぐらい聞き逃しても歌以外の部分で説明してくれるから良かったです。

登場人物について

捨吉がとにかくすごかったです……!
一番好きなのが、1幕序盤のほうのおたあに助けられたあたりのシーン。すっげーふてくされたような、めちゃくちゃ人間不信っぽい状況で、歌もおもいっきり感情をぶつけるように歌っていてすごかったです。
そこからの、人間不信状態のまま診療所に来るところ、朝鮮人だから医者はいないなんてことするんだろ! と日本人に対しての嫌悪感、それがおたあに助けられ診療所の人のこき使われることによってだんだんと人慣れしていくところが良かったです。
1幕ラストで悲しみにくれながら歌っているところとかすごかった!!
2幕始めのところで絶対またふてくされてるだろ~と思ったらまさかの明るくむしろおたあを慰めているし、彼にとっておたあの存在や施薬院の人の存在がどんだけでかかったのかと思いました。それだけ今までされてきたあれこれとは全く違うことをされたんだろうな。おたあが大喜びでぶちまけた花の種を拾い集めたりするあたり、おたあに行った先で花を咲かせて貰いたかったんだろうなと笑ってしまいました。素直に言えw
おたあ心配でキリスト系の寺回るあたりや牢の中でおたあに会って嬉しそうなあたり、おたあに一緒に生きてほしいと言おうとして周囲の観客に見られて結局言えないあたり、どれにしてもめちゃくちゃ可愛いし、おたあのことほんっっとに本気で大事にしてたんだろうなって思いました。確か再開するまで10年? ぐらいな話をしてましたが、それだけのあいだずっと会いたかったろうし彼女のこと気にしてたと思うと捨吉……お前……。マジ純情青年。おたあから貰ったものだからと、殴る蹴るされようとも切支丹でもないのにおたあから貰ったロザリオ捨てらんないあたりマジ純情青年だなと思いました。お前。
捨吉は多分最後のシーンでおたあが転ぶと言っていれば絶対怒っただろうしそれで助かったとしても自分のせいだと悲しむでしょう。そう考えるとあのまま彼女の腕の中で死ねたのは幸いだったのかもしれない。でもおたあは絶対辛いよあれ~。

あとすごい役者となると小西行長さんが。
歌が圧倒的。すげーレベル高かった。歌がどーんと腹に響いてくる感じ。
通常のしゃべるときの声や口調も、他のキャストさんよりめっちゃうまいきがした。うまく言えないんだけれども、一人演技じゃなくて自然の中で喋ってる感じがしました。すごかった。
出てくるシーンは前半しかないためあんまりどこが~とか言えないんですが、本当に一人すごかった。演技がすごかったです。
小西行長はあんまりどういう人かわからなくて、ジュスト様だなということしか知らなかったんですが、関ヶ原の戦い負け組側だったんですか。家康と戦う~みたいな話し始めた時点でやべえ死んでしまうと見ながらビビってました。

おたあなんですが、走るときに一人履物をばたばた音を立ててるのがすごく好きでした。なんだかあんまり歩き方とか走り方とかわかってない感がしてすごく好き。大奥のシーンでも、他の方々が音も立てずに歩くのに、おたあだけ歩く音が聞こえて、元からのお姫様ではなく急造お姫様なんだなあ感があって、らしくて好きです。
彼女は結局そこまでキリスト教というものに傾倒しているわけじゃなくて、迷っているときに自分にどうしたらいいのか教えてくれたものがキリスト教なので、キリスト教にする~ってなったのかなーって思ってます。捨吉がおたあを信じて愛したように、おたあもキリスト教を信じて愛したというか。自分がやべえときに助けてくれた時に傾倒するのは当然だけれども、教えに傾倒してというよりも心の拠り所だったんだろうなって思いました。
ちょっと気が強くておてんばで、どこでも首を突っ込んでくおたあが可愛かったです。何があってもへこたれなくて、大奥に入ってからもそのへこたれなさで味方を作っていくあたりがすごく好き。

大奥といえば! お万の方! ツンデレ可愛い! ツンデレ超可愛い!!
最初嫌なやつ~って思ったんですが、なにあれ可愛い!! めちゃくちゃ可愛い!! 牢屋まで来てわざわざ助けてあげようとしてくれて!! 本当に家康に進言してくれて!! なんだ貴方は!! どんだけツンデレなんだ!! 可愛い!! たまらない!! おたあの本来の上司であるお勝の方が家康に情状酌量をお願いしているシーンはないのにお万の方がお願いしているシーンはあるので、やべえお万の方……まじでおたあのこと大事にしてくださっている……ガチのツンデレだ……と震えました。もう駄目です可愛かったです。
お万の方のおつきの侍女様、一人男性がいて爆笑しました。しかも声がうまいこと合っているのがまた……。面白かった……。

劇場

若林区文化センター。もしくは若林図書館の2階。よくピアノの発表会とか合唱コンクールとかある場所。みんな知ってる若林区文化センター。自転車以外で行ったことがないので行き方紹介とかは一切わからない……。
東側にまっすぐ歩くとヨークベニマルがあるので、観劇前の腹膨らませにはぴったりです。夕方になるとおにぎりが安いです。

同じ建物の1階と2階の一部が若林図書館なので、時間つぶしには持ってこい。
トイレは1階図書館入口の横あたりにあるやつだと、洋式トイレが奥の1個か2個だけっぽいので洋式しかダメな人は注意。

劇場はあんまり広くなく、キャパは700前後みたいなことが書かれていました。ロビーの物販ではいぶりがっこなどが販売されていました。
席は10列台前半下手側に座ったのですが、段差が大きいために前の人の頭で見づらいということもなく、また、それなりに近かったので双眼鏡なしでも役者さんの顔が見えました。
8列目と7列目の間が通路。5列目? ぐらいまでは段差あんまり無しっぽい。8列目以降は段差大きめ? な気がしました。

内容

ジュリアおたあは朝鮮人だけれども、小西行長によって日本に連れて来られた見目麗しいが元気な少女。小西の領地で、領民たちと仲良く、また小西を父とその妻を母と呼び暮らしている。しかし、朝鮮出兵の時に日本兵に襲われたことを夢に見てうなされるなど、未だに心のどこかにその頃の傷を抱えている。小西妻はおたあを大事にしており、彼女に薬草を教えたり、彼女が朝鮮から持ってきた花が肺病に効くという話を聞いたりする。
ある日おたあが最近趣味の薬草を覚えるために教本を持ちながら外を歩き回っていれば、少年一人を小突き回す男三人を見る。男のうちのひとりがぶつかられ、財布を盗まれたという。慌てて止めるが、男たちは、少年が朝鮮人だからといって暴力をやめない。しかし彼らは制止している少女が小西の娘であるジュリアおたあだと気付き、暴力を止める。少年は、同じ朝鮮人であろうと優遇されているとおたあに言い、本当に盗んでいた財布をみせびらかして去る。
自分はどうしたらいいのだと言うおたあに、小西妻は神に向かって祈ればいいと言う。祈ったおたあ、人を助けたい、人の助けになることをしたいと言う。施薬院という診療所の手伝いを始める。
薬院で手伝いをしていたおたあのところに、ある日先日の盗人少年捨吉が現れる。妹を助けてくれと言う捨吉、しかし診療所の医師は現在往診に行っている。代わりにおたあが病状を見て薬を与える。妹の病状の安定まで程度で捨吉は施薬院で手伝いをする。あちらこちらから呼ばれ、日本人も朝鮮人も関係なく走り回る捨吉。そして捨吉の妹が目を覚ます。喜ぶ人々。
おたあは、捨吉に朝鮮の話をしてくれという。おたあは朝鮮のことをほとんど覚えていない、恐ろしい記憶しかないという。捨吉はおたあに歌を歌ってやる。おたあもなんとなく覚えていた歌を二人で歌う。そこで捨吉妹が目を覚ます。突然目を覚ましたことに喜ぶ二人だが、病状がおかしい。高熱が出ている。慌てて水を飲ませたりとするが、介抱のかいなく捨吉妹は死んでしまう。
(全員の歌で一幕終了)

捨吉妹の墓の前にいるおたあ、小西行長は河原で斬首(切支丹なので自殺不可)され、小西妻は島流し。これからおたあは家康の側室の侍女になるために見知らぬ土地に連れて行かれることになる。こんなことならいっそ死にたい、そのために切支丹をやめたいとロザリオを投げつけるおたあ。彼女に、捨吉は、自分は生きる、妹のぶんまで生きるという。おたあ、自分のことを忘れないでと捨吉にロザリオを渡す。忘れるものかと言う捨吉。そしておたあに花の種を渡す。捨吉は花を沢山咲かせたくて種を集めたという。おたあは喜んで捨吉妹の墓の側に種をぶちまける。ここに咲かせるものじゃないだろうと慌てて拾い集める捨吉。
おたあ、家康の大奥へ。そこではお万の方という側室がいて、おたあをいじめてこき使う。小西妻の着物をボロ雑巾代わりにされたりして屈辱的だが耐えるおたあ(このときお万の方の侍女の一人が男性なので思わず見てしまった)。おたあの上司?である側室のお勝の方は、彼女にお万の方はそこまで悪い人ではないと言う。お勝の方は、おたあに対し、最近切支丹寺によく行っているようだが、家康は先日の大友らの収賄事件?だかに対して怒っているため切支丹が禁止される可能性があり危険だと言う。
おたあ、切支丹寺に行き、危険だからしばらく集まるなと言う。みなはおたあに会えなくなるのを悲しむが、生きるためだとおたあは言う。寺を出ようとしたところで取締役人登場、全員とっ捕まる。
牢屋に入れられてみんなで戦々恐々する。牢屋に既に入れられ転がっていた男がいたが、怪我をしている様子なので手当をする。手当をしてしばらくしてから男が目を覚ます。男は捨吉だった。切支丹禁止令を聞いて、おたあが心配だから来たのだという。おたあが以前渡したロザリオのせいで、切支丹でもないのに切支丹だと思われ囚われていた。
牢獄にお万の方が登場。お万の方は実はツンデレ、おたあを助けたくてやってきた。おたあに転べ、今ならとりなしてやれると言う。おたあが、捨吉は切支丹ではないからと告げれば、なるべく出られるように口利きをしてやるという。
お万の方、家康におたあと捨吉を助けてくれと言う。家康は、おたあが転べばいい見せしめになるので転ぶまで出してやらない、捨吉は利用すると言う。
おたあ、家康の前に出される。教えを捨てないという彼女の前に連れて来られたのは、とうに牢から出されたはずの捨吉だった。捨吉は両手の指を切り落とされた状態で、このままだと死ぬと言われる。教えを捨てようとするおたあだが、捨吉が止める。教えを捨てたらおたあがおたあじゃなくなる、自分は先に妹のところへ行くと言う。おたあが悩んでいるうちに捨吉死亡。おたあは家康に教えを持ったまま生きると言う。家康はおたあに対し、ならば生きる地獄を与える、島流しだと言う。
歌ってエンディング。

カテコで、若林区出身の、捨吉妹役の鈴木さんの紹介&花束贈呈。

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