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日々放置プレイ

読んだ本と見た舞台の感想

となりの魔王 到来編

となりの魔王 到来編 (ビーズログ文庫アリス)

となりの魔王 到来編 (ビーズログ文庫アリス)

ドアを開けたら、引越しそばを持って魔王が立っていました。という田舎のとあるおうちの物語。
表紙とタイトルで惹かれて読んだんですがこれは良かった! これは面白かった! もともとはなろうなのかな、1話1話が短いので、時間の隙間に読むのがぴったりなタイプです。薬屋のひとりごとの時にも思ったけど、なろうのものって1話1話が短いので隙間読みに向いていますね。
でも、この本は電車の中とか人前で読むのには向いてない。笑いのジャブを気の抜いた瞬間に叩き込まれる為です。オススメは料理の最中かなー、煮込んでいる最中に1話読んで、煮込み加減見て、また煮込んでのぐらいがいいと思います。短いので煮込みすぎない。煮詰まらない。

引っ越してきた魔王は、主人公が最初にゴミの分別を教えてくれたことから参謀に任命し、困ったことがあれば主人公に訊いてくるようになります。魔王の参謀。言葉だけ見れば超格好いいけど、主な仕事はゴミの分別を教えることや、お一人様一個の値引き品を一緒に並ぶなど超庶民派。良い魔王です。多分、そこらの身元の知れない変な人よりもずっとまとも。
ただし、まともじゃないのが言葉というか発言というか、そういった部分はめっちゃ魔王魔王していてギャップがたありません。

「障りの多いことだ。ままならぬものよ」
「まあ一応ルールなんで。破るといろいろと面倒なことになりますし」
 軽い調子でそう言うと、魔王はわざわざ私に向き直り、ゆっくりと大仰に頷いてみせた。
「案ずるな。余は盟約を違えぬ」
 いちいち重い。

話しぶりは壮大ですけど、ゴミの分別の話です、これ。
こういったうまく言えないけど笑えるっ! みたいな部分がちょこまかあるので、読んでいて本当に思っ白いです。

あと、個人的にツボったのが田舎の描写!

「近所からもらっちゃったんだ?」
「うちでも作ってるからとも言えなくて……」
 土地だけは広々と使えるせいか、農業を生業にしていなくとも、庭先に菜園を設けている家庭は多い。
 肥料や土の違いはあれど、気候などの環境条件は変わらないため、育てる野菜はどこももろ被りだ。トマトきゅうりピーマン茄子、各家庭ほぼ同じ時期に収穫を迎え、とれすぎてはそれぞれ持て余し、かといって廃棄するのも忍びないという心理から、好意と称して近所の玄関先に置き去りにしていったりする。
 鈴木さんと中村さんの家など、互いの留守を狙ってはナスの袋詰めを五回ほどラリーさせたと聞く。

あるあるあるあるあるある。
田舎者なので、田舎の描写のあるあるっぷりに読んでいて大爆笑していました。そう、そうなんだよ、貰い物が大量にあって野菜がまかなえるんだよ……!
コンビニが超遠い話や、鍵を基本的にかけない(そして魔王に怒られる)くだりなんかあるあるすぎて吹き出しました。そういう笑いのジャブがちょくちょく襲ってくるので気が抜けません。主人公の進路が農協系狙いなあたりもなんか無駄な親近感がある。私は農協落ちたけどね!

話の中で、周りの人はみんな魔王がいて当然ー、普通のことーって顔してるんですが主人公だけそれがおかしいと思っている。最初はそれが主人公が若いからかなーと思ってたんですが、主人公の幼なじみくんも魔王がいて当然と思っているあたりがちょこっと気になりました。セーラームーンのちびうさが周りを洗脳したときみたいな、主人公だけかかってないので不自然に感じるようなアレなのかなー、でもこのほのぼの話でそういうのあるのかなーという感じ。なんで主人公だけ疑問に思えてたんだろう。
あと、魔王がこっちに来てるのは休暇って話だったけど、てことは普段は仕事してるんだろうか、それとも学校なんだろうか。たまらなく気になります。

続きもあるみたいなので発売が楽しみです。絶対買うし絶対読む。

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