日々放置プレイ

読んだ本と見た舞台の感想

男役

男役

男役

読み終わった直後、仙台での宝塚の上演がないか調べました。そして読み終わったその日に公演があったことを知りました。読み終えたその時間はちょうど日付が変わる寸前で、まあどうやったって見れないですね! 今度宝塚劇場行きます! そんな瞬間的な行動をさせるぐらいの話でした。

最近見たミュージカルのシャーロック2で出演されていた一路真輝さんがとにかく格好良く男前で、もしかしてこの人女性が演じているけれどもワトソンってこともあるし実は男キャラ役ではないのかな? と思ったりなどしたことから宝塚に興味を持って読んでみました。
物語は、主人公ひかるが新人公演の主演男役に選ばれたことから始まります。憧れの男役すみれに教わりながら準備をしていくひかる。だが、ひかるは本公演のときにミスをしてしまう。しかしその時助けてくれた人がいた。それが、宝塚劇場にいるという幽霊、五十年前に不慮の事故で非業の死を遂げた男役トップスターの扇乙矢ことファンファンだった。
和製オペラ座の怪人であるファンファンと、彼女に見出された男役トップスターすみれ、新たに彼女に目をつけられた主人公ひかる、そして彼女の相手役だったチャメの物語です。

このオペラ座の怪人ならぬ宝塚劇場の怪人ファンファンが茶目っ気あるアクティブ幽霊でとっても可愛い。
ひかるが台詞を忘れた時に耳元でささやいてくれたり、ピストルを持ってき忘れた時にそっと後ろから手渡してくれたりなんてことは朝飯前。

ファントムさんは奈落の底にだけいるのではない。時には客席の空席にまぎれこんで舞台を見ていたり、一番教室に入り込んでお稽古を見ていたりする。早変わり室でてんてこまいする生徒に悪戯していることもあれば、楽屋食堂でカレーをかきこむ生徒たちを羨ましそうに眺めていたりすることもある。

愛読書は『宝塚おとめ』で、初舞台生から専科に至るまで、全員の顔と名前と愛称を覚えているというファンファン。アクティブすぎてもはや幽霊っぽさがない。オペラ座の怪人だってここまでアクティブに元気に歩きまわらない。
いちいち行動が元気な超アクティブ幽霊さんです。

このアクティブ幽霊ファンファンと、相手役であった娘役チャメの、最後は恋で終わる物語だったんだなーと読み終わってから思いました。
最後の二人のシーンたまりませんでした。チャメからの言葉は、おそらく間違いなく、トップ娘役からトップ男役への告白の言葉だったんだろうなあ。美しかったです。

宝塚というものは実際に見たことがありませんでしたが、舞台ちょくちょく行く者としては、どきっとするぐらいあるあるな部分もある話で面白かったです。
冒頭の『内側から発光する光で妖しく輝いている』という部分。これってファンファンが幽霊だからのことではなくて、実際に舞台上にいると、暗いシーンでスポットライトも浴びていないのに浮かび上がって見えるような、そんな役者さんが実際にこの世には存在する。ぼんやりと頭の中に浮かぶようでした。
逆に、役者さんの中には物語の背景に溶け込んで、目を凝らさないとといえば変だけれどもそこにいると意識しなければ見えないような役者さんも存在する。メインの、台詞をいうシーンだけ浮かび上がってきて、そうでないときはまた背景に溶け込むという役者さんもいる。そういったものを読みながら思い出しました。
あとあんまりそこの制作でメイン張ってなかった人や今までいなかった人が突然出てくるとファンがネットで叩くあたりね! めっちゃ心当たりあってね! 心温まらない! リアル!
それと、読んでいて宝塚のファンやるのってお金掛かりそうだな~って思いました。ただの普通の舞台ファンしてるだけでもチケ代(3,500円みたいな低額なものから1万円を軽く超すものまでピンきり)かなりかかるというのに、読む限りだと差し入れの代金だとかなんだかんだとすごいかかりそう……。でもそれだけの価値がある、それだけの素晴らしさがあるんだろうなと思うと宝塚すごい。
元宝塚出身、特に男役だった役者さんって身長もあって歌もすごくてとにかくどーーーんという迫力があるっていうイメージがあります。それこそ一路真輝さんとか、あとDVDで見ただけですがブラックメリーポピンズの音月さんだとか。圧倒的。フィクションとはわかっていますがこの小説を読んでそりゃあすげえなあと思いました。

読み終わってから、とにかく宝塚に行きたくなりました。先月シャーロックを兵庫芸術劇場へ観に行ったのですが、駅の至る所に宝塚のポスターが貼られていました。行けば良かったなあ。
あんまりカツラかぶってる系舞台が得意じゃないため推しがいない限り漫画アニメゲーム原作舞台もほとんど行かないのですが、この本読んだ直後はカツラかぶっててメイク濃い宝塚にすごく行きたくなりました。

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