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日々放置プレイ

読んだ本と見た舞台の感想

殺意の衝動 06/06夜 感想

あらすじ

~ストーリー~
目覚めるとそこは脱出不可能な密室内。
そこには、見知らぬ男女がいた。
なんのヒントも指示もない中、集められた共通点に気付く。
しかし、正解を知る者はなく、憶測の中、突如行われていく殺人。
無差別殺人が行われる密室内で迎合される死の概念。
犯人は誰なのか?何故殺されるのか?死の概念とは?その先に生まれるものとは?

【脚本・演出】鄭光誠

【出演】村井良大、平野良、外岡えりか宮下雄也、磯貝龍虎、鳥羽まなみ、才勝、及川いぞう

一言感想

キャストとキャラクターは最高だけれども、話は微妙な点が多かったです。

見た理由

村井良大今年最後のストプレ!とあったので、なんとなく見ておきたいぐらいの気分でチケ取りました。村井さんを舞台で見るのは赤真田以来なので一年ぶりな気がします。それ以外の方は生初観劇。

好きか嫌いか

キャストとキャラクターの合い方としては「これが見たかった!」と思うものそのものだけれども、話はこれどうよ……という感じなので総合評価としては非常に微妙。

感想

話について

「犯人は頭の良い人間、秩序型の人間です」という記者の発言が、全くなんの根拠もないのに全員のなかでの決定事項となり、最終的に実際の犯人もそういう人間だった――というのが少々どうかと思いました。パニック状態で誰かが言ったことを盲目的に信じてしまうという恐慌状態を表すためのミスリードにしか過ぎないのかとおもいきや、まさか本当にそのままだとは。
それ以外にも、パンやワインにはきっと毒が入っているということが彼・彼女らの間でいつのまにか事実として扱われていたり、その他ただ誰かが言っただけのことがどんどん事実になっていたりするあたりが、この閉じ込められた状況に対するパニック感の演出なのかそれとも単純に脚本的にアレなだけなのかと気になりました。

話自体はそれ以外にも、微妙にそれちょっと……? と思って気になる・引っかかる部分が多かったです。

しかし、キャラとキャラの緊迫感ある会話だとか、緊迫感あるシーンはすごかったです。開始20分ぐらいはなんだこの話……となっていましたが、ラスト20分ぐらいはスリルミーじゃありませんが、貴方は呼吸を忘れる状態でした。平野さん演じる有沢と、村井さん演じる羽水の会話がすごかった。

気になったのが羽水について。
羽水の過去について女記者は何も言わなかったのですが、女記者は実際に知らなかったということでいいでしょうか。いくら最初に筧が言っていたとしてもあの人のたかだか数分間で見せる圧倒的な性格上、自分がわざわざ他人の古傷をえぐらなければ気がすまなそうに見えるので、知っているならば絶対に羽水に対しても人を殺した事件のことを言うと思います。
ならば年齢的に少年法に守られて知らなかっただけでしょうか。
ただ、事件が事件として表沙汰になっていないというのは、その後の羽水の言葉で雑誌の記事になったときに~とあるので、ただの事故として処理されていたとは思えない。単純に女記者は知らなかった、調べていなかった、という線が強いのかなーと思います。
しかし女記者はなんでも根掘り葉掘り調べているようなきがするんだよなー。とすれば、筧の過去を掘り起こして楽しんでいる最中に当然その事件が出てきそうなものですし、そこから羽水の名前が出てきそうな気がするんですが。
被害者セレクトは当然有沢が行っていると思われるので、あえて最後に自分が追い詰めるために女記者が羽水を調べていないのを把握済みで……ということも考えられないこともない気がしないこともない。

各面々の死に際については非常にそれってどうよと思っています。
特に中間管理職。何故蘇った総合格闘家。腹刺されてそれなりに時間経っているので失血死してもおかしくないと思うのですが。何故生きている。どうやって生きている。腹刺され具合としては自分で自分に刺すというそれなりに難しいことをしている羽水も同じぐらい生きてしまってもおかしくない気がします。
中間管理職と総合格闘家のあれこれに関しては完璧に中間管理職が邪魔だから片付けるために総合格闘家が蘇ったとしか思えないし、そして邪魔だからさっさと筧に殺されたとしか思えません。筧はその他物語に邪魔になった人間を片っ端から殺す役目なので、なんとなく一番脚本に動かされている人というイメージがあります。一人暴力的なキャラを置いておけばとりあえずそいつがキレて殺してくれるから人数減って便利だね……仮面ライダー龍騎における浅倉威的なキャラは物語を加速させるために必要だね……。

あとこれは演出の問題ですが、テーブルが真ん中にあってみんなそちらを向いて会話をするので、近いキャストで見えるのは尻、舞台対角線上のキャストは顔が見えるものの遠いというおもしろ状態でした。

キャラについて

刑事さんは責任感の塊であり、頭の良い人間であり、悪を絶対に許せないのでしょう。だからあれらの人間たちを集めて一処にして殺させようとした。おそらく自分は裁く側だと信じているし、過去に行った発砲事件についてもむしろ善行を行ったと思ってそう。
刑事が羽水に言った「君は二重人格だ」からの流れは単純に羽水を動揺させるためだけの発言かな。実際は羽水は二重人格ですらないんでしょう。その発言はちょっと意味分かんないなーとなりましたが、多分その後の「君の殺した先輩のお母さんに会いに行った~一緒に彼女の所へ行こう」までが羽水を動揺させるための本命だったんじゃないかと思います。
有沢は、ある意味女記者と対になるキャラクターだと思いました。どちらも自分の中で想定された悪に対して勝手に制裁を行っていく。女記者は記事にして「そうすることで罪を償う機会を与えているんです!」という独善的な理由を押し付ける。有沢は、その悪人たちに殺し合いをさせることによって、社会に不要な人間を勝手に死んでいくのを眺める。どちらも他人を勝手に裁いている。
有沢からしたら、悪人たちは悪人なのだから勝手に死ぬだろう、だから自分が手を汚す必要もないとか思っていそう。だから結局あのワインもパンも毒なんて入っていないんでしょう。
良い人っぽい部分から最後のパンをかじる部分まで、全てにおいて平野さんじゃなきゃできない役だなーとものすごく思いました。

羽水は怪しげな発言を繰り返し妙に淡々としているけれど、これは本人が後で言っていた「よく、感情がないみたいだと言われるんです」のあたりが中二病でもなく本当なんでしょう。ということは、あの発言全部素だと思うと結構なおもしろお兄ちゃんになってしまう気がする。
最初黒手袋をしているのかと思いましたが、よく見たらカーディガンが萌え袖状態になっていて長いだけでした。長かった。非常に長かったです。ちょくちょく袖を引っ張って指先まで隠すのは何かの防御行動かな、筧といるときが多かった、それと冒頭のほうが多かったような気がしました。
羽水はあの会話の流れだとしても、恐慌状態+混乱している状態なので、実際に二重人格か、実際に複数人殺しているのかよくわからないです。ただの幻覚だとか、殺意の衝動はあったが妄想だったとかもありうる。二重人格だとしたらそのことを感知していないから殺意の衝動が収まるのもわからないのではないかと思ったり。
羽水についてあの女記者は何も言っていないので、彼女は記事にはしていないのだろうと思っています。ただ、有沢と羽水が残ったあたりの会話で「殺された先輩のお母さんから君に伝えてほしいと言われた言葉がある」~「嘘だ、雑誌では~」の流れからしてちゃんと犯人は羽水だと先輩母は知っていると羽水は思っているだろうなと思います。実際は少年法などで隠されていそうだけど、調べたら分かる程度かも。あの有沢が言っていた殺された先輩のお母さんの言葉は羽水に罪悪感を持たせて自殺させるための嘘であって、事実は羽水が雑誌で見たとおりの言葉な気がします。 舞台上だと19~22ぐらいの年齢に見えました。どこか幼い。なのにカテコというかお辞儀の時になったらあっという間に二十代後半の村井良大になっていてびっくりしました。感情の振り幅が大きいこのキャラも村井さんじゃなきゃ絶対に不可能だなと思います。

記者はよっ殺されキャラ! というかんじで。
始まったら既に死んでいる。回想で出てきたとおもったらムカつくことしか言わないし、しゃべりも妙に甲高く演技がかったしゃべりのためにこりゃあ死んでも仕方ないな! と思わされる。すごい。こりゃあ殺されても当然だな、早く殺されないかなと思う。すごい。ここまで殺されるために出てくるキャラクターというのは最近見てないのですごいと思いました。
この人も、ある意味有沢と同じく自分は正義である、自分が行っていることは正しいと思っていて、自分が裁いていると思っている人種なんでしょう。だから自分は善行を行っていると思っていそう。しかししゃべり方といい偽善者臭さ半端無い。
もしかして有沢と対比させるためのキャラなのかなーとも思いました、が、それにしてはちょっと記者の一方的ななんかひどい糞っぷりが何か違う。

個人的にすごく気になったのが筧。
羽水のことを犬として扱っていると言っていた割に、そこまで犬っぽく扱っているように見えるシーンが過去回想の中の羽水が恩人先輩を殺した後ぐらいしか見えなかった。でもあの時撫でる手つきは最高に犬扱いしてた。
あんまり他人のことに興味が無く、典型的なウェイウェイ系DQNというかんじ。
前髪が垂れ下がってきたところでばっと上げる仕草が多かったのですがどういうときに行っていたのかは見そこねた。何か意味があったのか、彼なりの何かがあったのかが気になります。

それ以外のキャラクターも、それも「この役者さんじゃなきゃ絶対に演じられない」と思わせるキャラクターでした。完璧にその人に合わせた宛書とかじゃないかなーと思うぐらい、この人にぴったり!なタイプのキャラばかりでした。
私は村井さん目当てに見に行った部分がありますが、村井さんのキャラは本当に、こういう怯える部分や淡々としている部分、それら全てを見たかったので美味しかったです。

各キャラの関係性がちょっと微妙。
あらすじに「ある共通点に気付く」とあるので何かしら大きいものがあるのかなと思ったのですが、あれは結局『有沢の思う「罪の犯した人」である』ということなんですね。

  • 羽水→筧:中学時代にいじめられていた、何かあったら殺したいと思うぐらいには憎んでいる
  • 筧→羽水:中学時代にいじめていた
  • 中間管理職→女社長:契約を白紙にされたために首切り役人に
  • 記者→羽水以外の全員:記事にしていた(特に最近は総合格闘家に張り付いていた模様)

カテコ?について

暗転、明かりがついたら比較的最後まで残ってたキャラのキャストさんたちがテーブル周囲にいて一礼、残りのキャストさんが出てきて一礼。さらっと下がってって時折左右に頭を下げる。二度目のカテコ?では村井さん平野さんが最初に出てきて、あとはばらばらーっと出てきてばらばらーっとお辞儀をして下がっていって終了。平野さんは両手あわせて拝むように頭を下げていました。

劇場について

スペース・ゼロは初めて行ったのですが、新宿駅南口から非常に近かったです(道間違えましたが)。

今回はサイド席があり、センター一列目とほぼ同じ高さになっている舞台の三方を席が囲んでいる形でした。サイドの席も、段差と下の座布団のようなもので高さが作られていたみたいです。 マイクは足元マイクみたいでした。
椅子は劇場の椅子っていうより普通の椅子?みたいなかんじだったんですが、座っていて尻が痛いだとかそういうことはありませんでした。

内容

客入れの時の音楽はクラシック全般。ドビュッシーが数曲あったのはわかったけれども他の曲はわからず。
舞台中央にテーブル(椅子はなし)。テーブルの上、上手側にグラスと瓶、上手側のグラスよりは中央よりにパン、下手側に燭台。

暗転、舞台が始まる。手前上手側に転がっている女記者、その他の場所に立っている他の面々。まずは何があったか整理してみようという刑事。

皆は目が覚めたら此処にいた。そして舞台奥のドアから女記者が出てくる。女記者を見て知っているという総合格闘家。最近自分を追いかけている雑誌記者だという。此処はどこだ、どういう所だと訊かれる女記者だが、記者は自分も早く起きただけで同じような状況だからわからないと言う。(このあたり目が覚めた直後らへん、羽水が筧に気付いてフードをかぶる)。筧、羽水に気付いて久しぶりと声をかける。知り合いなんですかと問われて昔の友達と答える筧に対して、いじめられていたと言葉をかぶせる羽水。覚えてんじゃんと言う筧。
(この辺り?)筧、羽水は過去に薄いが人を殺したことがあるということを言う。

自己紹介を終えた後、どうしてここにいるのかという話になる。女記者と刑事がなんとなくわかると言ったところで羽水が連続監禁殺人事件ではないかと言う。最近起きているという連続監禁殺人事件ならば辻褄が合う。女記者は、自分の推測では「犯人は理知的で秩序型」だという。
更に女記者は、その連続監禁殺人事件の被害者にはある共通点があるという。それは過去に罪を犯したもの。それぞれの面々に過去の罪(刑事:発砲事件、女社長:色々と迷惑をかけた人がいるだろう的なかんじ、中間管理職:人を馘首にした、先生:いじめ問題、筧:麻薬運び)。ならばお前も何か悪行をしたのかという女記者に対して、女記者は取材の最中問い詰めすぎて相手が自殺をしてしまったことがある、しかしそれは真実を求めるため云々。
筧が途中でキレて女記者を殴り殺す。女記者の死体を刑事と先生で運び出す。

出口が無いか探すが見つからない。
(多分このあたり、もしかしたらこの次あたり?)羽水、足元の床を外すことができることを発見。その下からここに集められた人たちの新聞記事が発見される。各自の罪についての記事。「俺のあったー」みたいなかんじに楽しそうな筧。多分羽水のは無い?
(多分このあたり)この中に犯人が居るのではないかという羽水。

中間管理職、テーブルの上にパンがあるけれどもこれに毒が入っているかもしれない、犯人ならば毒が入っていると確信しているはずだ、だから一斉に食べて食べなかった人間が犯人だと言い出す。女社長からパンを取る。筧は羽水に自分のパンを選ばせる。せーので食べるが、口にしたのは総合格闘家のみ。これは毒が入っていないと革新していたからこそ食べられるのだ、だから格闘家が犯人だという。
お前が犯人なのかという目で見られた総合格闘家、おそらくパン切り用ではないかと思われるナイフを持って暴れだす。止めようとする刑事。刑事が抑えたところで先生がナイフを奪い取ろうとして、もみ合った挙句に先生が総合格闘家を刺してしまう。
「いじめ問題は、クラスを守ろうとしただけなのに」と錯乱状態に陥る先生、なだめる刑事。一人にしてくださいと別室に向かう先生、程なくして自殺。

残ったメンバー(刑事、羽水、筧、女社長、中間管理職)、それでも出口を探そうと再度動き出す。しばらく部屋を出ると戻ってくるを繰り返して家捜しして、しかし結局見つからない。壁を壊すこともできず出口もない。もうやめようという女社長。しかし刑事はもっと探すべきだという。中間管理職が「君は若いから知らないかもしれないが、希望を持つほど絶望は大きくなる」という。けれど自分は最後の最後まであがきたいという刑事。

(多分この辺りで)女社長に対して、お前に恨みがあるという中間管理職。中間管理職が勤めていた会社と契約がもうすぐというところで女社長はそれを白紙にした。そのために中間管理職は首切り役人をしていたという過去が話される。「言うべきことがあるだろう!」と言う中間管理職。
女社長から「悪かったと思ってる」という言葉を引き出したところで、奥のドアが開き死んだはずの総合格闘家登場(腹のあたりのシャツが赤く濡れている)。「お前があんなことを言い出さなければ」と中間管理職を刺したところで筧が中間管理職に「興奮しすぎて隙ありすぎなんだよ!」と叫びながらとどめを刺す。

総合格闘家の死体を片付けた後(多分)、羽水、テーブル奥、奥のドアへと行く手前のところに落ちているナイフを拾ってポケットに入れる。

羽水と刑事が死体を片付けている最中、筧が女社長に対してお前みたいな女は好みだぜと口説き出す。テーブルの上のものを散らして女社長を押し倒す。そういう顔も好みだと言っている最中に女社長が「怯えてるんでしょ」と挑発。怯えているからそういうことをしているのだろうと言う女社長に激高した筧、女社長をテーブルにぶつける、殴る、ボコる。

戻ってきた羽水と刑事。羽水、先ほど拾ったナイフで筧を刺す。「犬のくせしてなめたことしてんじゃねェ」とキレる筧、しかし羽水は「興奮しすぎて隙ありすぎです、センパイ」と挑発した後、馬乗りになって何度も刺す。散々刺して動かなくなったところで筧の死体を蹴りつける。

「自分を苦しめていた相手を殺して気分は晴れた?」と問う刑事に対して「想像していたのとは違う気分です」と答える羽水。
羽水の過去回想。羽水は「僕を絶対に守ると言ってくれた先輩を殺した」と言う。羽水、過去に筧に「俺たちの犬になるか、それとも」(仲間? 開放? 忘れた)の問いで、人を一人殺した。頭を水に沈めればいいと言われて沈めたことがある。顔にかかっている布を外した所、自分を助けようとしてくれていた先輩だった。その頭を水につけて殺したという話をする。
羽水に対して君は二重人格だという有沢。違うという羽水。羽水は中学を卒業後高校から地元を離れて就職もしたが、どこでもなじまなかったという話をする。誰もが変なものをみるような目で見ていたという話。
過去に何人か殺した? という話。殺人を犯すことで素の自分に戻ろうとしていたという話。
殺す理由は生きている証だから。何故生きているかわからない、生きている気がしない。けれども動いている、死体は動かないはずなのに。死体に触れているときは生きていると思う、だから殺すという羽水。
まだ殺してしまった先輩の親のところに行ったことはないだろうと羽水に言う刑事。刑事は、過去の事件を調べなおしている時に、羽水の事件を見たという。そして殺してしまった先輩の母のところに行った。その時に、先輩の母に、羽水に生きてと伝えてほしいと言われていた。羽水はそんなの嘘だという。以前雑誌に載っているのを見た時には、(死んで欲しいだかにくいだかそういう言葉)と書かれていたと。一緒に先輩の親のところに行ってあげると言う刑事。刑事にすがりつく羽水。羽水の耳元に何かささやく刑事。

刑事が部屋を出る。置かれているナイフを見て、羽水はそれを掴み、掲げ、自分の腹に刺す。呻きながら腹に刺して死ぬ。

戻ってくる刑事。死体が転がった部屋を見回して、ゆっくりとパンを食べる。最後ににんまりと笑う。暗転、カテコ。

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