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日々放置プレイ

読んだ本と見た舞台の感想

切支丹vs切支丹「くるすの残光 いえす再臨」

くるすの残光   いえす再臨

くるすの残光 いえす再臨

 

切支丹vs切支丹の第3巻。
天草四郎の残した聖遺物を求めて西へ東への寅太郎、今度は北でいえすの生まれ変わりが出たと聞いて東北は仙台に向かう。ついでに佐七もお姫様の使いに言われ、仙台城にて人形作りを行うために北に向かう。
その途中、会津で一泊した彼らの財布を盗んだのは切支丹。盗みを働いた故に捕まった切支丹を、同じ切支丹だからと助けようという寅太郎。佐七とともに助けに向かえば、そこには先に助けようとする『いえすの生まれ変わり』一起がいた。
一起ら東北切支丹と、島原の生き残りである寅太郎と佐七。ともに戦おうという話し合いは即効で決裂。一起を擁する東北切支丹は、仙台を中心に一揆を起こそうとする。
しかし当然それを認めるわけがないのは最近出番のない閻羅衆。幕府に氾濫する切支丹を止めるため、閻羅衆らも仙台へと動き出す。

 

1巻は忍者vs切支丹、2巻は侍vs切支丹でしたが、今回は切支丹vs切支丹でした。同じものを信じていても、信じるやり方やそのために立ち上げた旗頭が違うと敵対するしかないのだなという話。

作中では仏教だとかそういうのもいろいろある云々という話をしていましたが、実際プロテスタントイエズス会でも戦国時代に対立してましたしね。禁教令がちらほら出てる最中でも片方はおおっぴらに布教してもう片方の不興を買ったとかいう話もありましたし。やり方や信じる方法が違うと対立するしか無いのはしょうがないのかもしれません。
島原切支丹らは天草四郎を信じ、東北切支丹らは一起を信じる。絶対的指導者が違うのならば敵対するというのも仕方ない話なのかもしれません。

「四郎様は滅んだわけじゃない。ぼくたちの中にいらっしゃる」
「同じことだ。目の前にあらわれて力を与えてくださるからこそ、我らは信じる」

多分、これに尽きるのだと思います。目の前で率いてくれる相手を信じるのは当然のこと。そして今彼らのために戦って力を与えてくれているのは一起なのだから、東北切支丹連中は彼を旗頭にして戦う。

 

一起が、個人的にはとても天草四郎的だなと思いました。
くるすの残光の天草四郎はそうではないですが、『天草四郎の妖術』あたりの天草四郎はただの傀儡でしかなく、大人たちの旗頭に使われた人間にしか過ぎない。本人は信仰など理解していないのにちょうどいいと使われた存在。ある意味、そのタイプの天草四郎によく似ていると思いました。
一起自身は信仰など理解していない。ただ、その衣を来ていえすの再来だとしていれば、みんなは大事にしてくれる。それをやめたらもう大事にしてくれないし寒いし食べるものもあまりないあの状況に逆戻りするしかない。ならば彼が戦うのも仕方がないことだと思います。
そして、自分のために何かしてくれた相手だからこそその人のために戦うというのが、なんというか、破滅的だなと。
一起は、でうすやいえすの再来ではなく、天草四郎の再来に近いものがあるなと思いました。

 

今回の物語の舞台は東北、主に仙台でした。仙台在住なのですごく嬉しいです。伊坂幸太郎作品以外ではそこまで使われることが少ないので非常に嬉しいです。
佐七が人形作りのために逗留したのが仙台城。あ~あの山の上までよくもまあ……と笑ってしまいました。寅太郎が佐七のいる仙台城を、広瀬川のあたり、崖の下から眺めるというシーンで、あの場所か! と具体的に場所がわかるからとても楽しいです。あの崖を移動するなんてどんだけすごいんだ寅太郎&お雪。
更に榴岡へ向かうあたりでは思わず変な声出ました。榴岡が家から非常に近いので、あのあたりか! とわかりますわかりますとてもよくわかります。
広瀬川での切支丹神父殉教の話でも東北大学行く途中の橋の横に石像あるなーとか、見ていて様々なシーンで場所が明確に浮かんで面白かったです。
しかし、なまじっか場所がわかるために、仙台から三戸まで移動するってどんだけすごいんだ……と思わず苦笑。化け物ですか。切支丹か。

 

毎度のことながら恋愛描写が非常に可愛いです。今回からは荘介に対して女博徒のいちが実は片思いしてましたよという可愛い展開が出てきて。女として意識してほしいから娘っ子らしくするよ! といういちが可愛い。
寅太郎ときよは本当に素敵な恋愛しているなと思います。甘酸っぱい。見ていてこっちまでにやけてくるような恋愛。長旅から寅太郎が帰ってきたと聞いてとびだしてくる割に結局何もいわずに黙ってしまうきよが可愛いし、きよの顔を見て赤面してる寅太郎がとにかく可愛い。本当にこの二人どうなるのか先が楽しみでたまりません。

毎度のことながらというと、閻羅衆は毎度のことながらレベルにかませにでもなるつもりでしょうか。2巻といい今回といい、敵の強さを見せるかませに使われて終了で寂しすぎます。
市正が見ていて可愛い素直な良い子なので、そろそろ恰好良い活躍を見せて欲しいぐらいです。でも彼らが活躍したら切支丹連中はやばいのかな。共闘しないでしょうか。今回も微妙に共闘状態だったんだけど正体を知った上での共闘をしてほしい。寅太郎に対して良い感情を持ってる市正と寅太郎で共闘をして欲しいです。

 

さて次の巻は、とおもったら次の巻のあらすじに『かくて、厳島を舞台に極限の異能を繰り出す最終決戦が始まった――!』とあるんですが最終決戦!? どういうこっちゃ!? まだ聖遺物全然手に入れられてないのに!? と目を白黒させています。本当にどうなるんだろう。

 

前の巻の感想はこちら

 1巻

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  2巻

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