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日々放置プレイ

読んだ本と見た舞台の感想

さてその推理は映画にどう影響するか?「漂流巌流島」

読書 読書-文芸書

 

漂流巌流島 (創元推理文庫)

漂流巌流島 (創元推理文庫)

 

宮本武蔵は決闘に遅れなかった!?赤穂浪士浅野内匠頭が殿中刃傷に及んだ理由を知らなかった!?近藤勇池田屋事件を無理やり起こしていた!?鍵屋ノ辻の仇討ちは都合よく行きすぎた!?人使いの荒い監督に強引に引きずり込まれ、チャンバラ映画のプロットだてを手伝う羽目になった主人公。居酒屋で額を寄せ合い、あーでもない、こーでもないと集めた史料を検討すると、巌流島の決闘や忠臣蔵の討ち入りなどよく知られる歴史的事件の、目から鱗の真相が明らかに…!綾辻行人有栖川有栖両氏に絶賛された第二回ミステリーズ!新人賞受賞作を含む、挑戦的歴史ミステリ短編集。

本能寺遊戯が面白かったので読みました。

今回も歴史についての謎解きをする、連作短編小説。今回もというか、本能寺遊戯のほうが後から出されたのでちょっとおかしい言い方ですがw
今回は見た目に花のある女子高生が歴史談義をしていた『本能寺遊戯』とは違い、映画監督と脚本家での歴史謎解きお喋りです。本能寺遊戯とは違い、見た目的にはむさ苦しいw しかも居酒屋で飲みながらのお喋りなんかもだしw
この題材について一本撮るからなという映画監督と、それについてざっくりと資料を取りまとめて調べてくる脚本家。脚本家の調べてきた話を聞きながら、映画監督は今までの定説をひっくり返すような話を出してきます。
種類的には歴史ミステリーみたいなのになるのかな。鯨統一郎の『邪馬台国はどこですか』を思い出しました。

今回は、元禄赤穂事件について目当てで読みました。
あらすじにかかれていた『赤穂浪士浅野内匠頭が殿中刃傷に及んだ理由を知らなかった』っていうのは今ではそれなりにネタにされているので一応ちゃんと知ってるので、そこに関してはなにか出してくるのかなー? と思ったのですが、元禄赤穂事件そのものが他の事件に対する前振りでしかありませんでした。
この話でメインになっているのは、板倉修理が細川宗孝を斬りつけた事件。これを元禄赤穂事件を絡ませた上で謎解き推理とします。
元禄赤穂事件についての最低限の知識はあるので、最後の解決の部分でそうくるか! と思わず手をたたきました。

脱線しますが、若手俳優も好きなので戦国鍋TVも見てました。赤穂浪士題材のアイドルユニット「AKR四十七」で吉良上野介が「斬られて討ち入りされて意味がわからない」と言ってますが、本当にその通りだなと思います。
吉良は浅野内匠頭に斬りつけられて、しかも何もしてないというのに家臣らに討ち入りまでされて意味がわからない。その吉良から見ての不条理さが元禄赤穂事件にもあるし、この細川宗孝刃傷事件についての謎解きにもあるなと思いました。

『本能寺遊戯』と同じだけれども、やっぱり事前に知識がない話だとちょっとわかりづらい部分があるなーと思いました。巌流島の戦いも残念ながら全く知らないし、荒木又右衛門は名前も知らないので話について行きづらい……。武蔵と小次郎に関してはポケモンぐらいしか知らないよ。作中で資料の提示として全ての情報が出されている以上ついていけないのが駄目なのだけれども、歴史がそこまで得意ではないので、何を話しているのかわからないということがしばしありました。
資料につぐ資料の提出で、そういったものを読むのに慣れている人だったら良いのでしょうが、小説なら読めるかなーぐらいの人間だとちょっときつかったですw


歴史の裏側を、というよりも、新たな観点から眺めてみるという物語だなあと思いました。
作中で「赤穂浪士らの犯行声明」扱いされていた口上文も、事実彼らの思っていたことを全て書いていたとは限らない。見目の良い言葉を残すことで民衆に伝わるようにしたかもしれない。
そういったものもあるので、どこまで監督の謎解き通りかわからない。しかし、だからこそ面白かったです。
 
 
この次に書かれた「本能寺遊戯」の感想はこちら。 morelovelike.hateblo.jp

 

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