日々放置プレイ

読んだ本と見た舞台の感想

雑貨店に落ちてくるお悩み相談手紙を拾った三人組の物語「ナミヤ雑貨店の奇蹟」

 

ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)

ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)

 

 

夢をとるか、愛をとるか。現実をとるか、理想をとるか。人情をとるか、道理をとるか。家族をとるか、将来をとるか。野望をとるか、幸せをとるか。あらゆる悩みの相談に乗る、不思議な雑貨店。しかしその正体は…。物語が完結するとき、人知を超えた真実が明らかになる。

 

東野圭吾、ファンタジー連作短編集、という形になるんでしょうか。
プラチナデータを読んでいる時にツイッターで角川文庫アカウントが繰り返し感想ツイートをRTしていたので気になって読んでみました。

 

お悩みを手紙に書いてシャッターから投げ込めば次の日までには回答を入れてくれるナミヤ雑貨店。空き家だと思ってそこに逃げ込んだ三人組のところに、手紙が投げ込まれることから物語は始まります。
書かれていた悩み事に投げやりに回答を送る三人。回答を出したと思ったら何故かあっという間に帰ってくるそれに対する返事。しかも、どうやら手紙の主は数十年前の人間っぽい。これはどういうことだと思いながら、手紙を返す三人。
そうやって何通か来る手紙たちに、三人組は暴言に近い手紙を返したり、優しいアドバイスをしたりとし続けます。
短篇集形式なのですが、出てくる物語の登場人物たちの関係性が次第に繋がっていきます。

すべての物語の登場人物がどこかしらで関連しているのに最初は違和感持ちましたが、よくよく考えたらこれは小さな町の小さな雑貨店が舞台の物語なんだから当然だなと。雑貨屋の物語なんだから、その雑貨屋のそばにいるひとたちばかりで当然だ。狭いのは世界ではなく町でした。

「手紙を出すときにはもうその人が欲しい回答は決まっていて、背中を押して欲しいだけ」というのになんだかものすごく納得しました。
結局は自分の背中を押して欲しい、どうしたらいいのか教えて欲しいのではなく話に付き合って欲しいだけなんだ。だからこそ、「月のウサギ」さんは三人組の適当すぎる手紙から救いを見て取って、そこからどうしたらいいのか考えた。
相談って結局はそういうことで、行き先を与えて欲しいのではなく背中を押して欲しいものなんだなと改めて思いました。ネットでもよく言われてるけどね。

救いを求めて手紙をだす人たちもいて、手紙を出して回答が戻ってくることで何かしらの安堵を与えられて救われている。
けれども元々このナミヤ雑貨店でのお悩み相談回答を行っていた店主がこのお悩み回答で救われていたんだなと思います。店主だって生きがいを与えられていたというか。「ナミヤ雑貨店のお悩み相談」で救われていたのは、相談するほうもだけれどもされるほうもだった。
そうして、お悩み相談での救いは、逃げ込んだ三人組にも与えられる。

 

東野圭吾は「容疑者Xの献身」と「プラチナデータ」しか読んだことがないので現代モノで警察関連の話書く人なのかなーという思い込みで読んだので、良い意味で裏切られました。とてもやさしい、誰に対してもやさしい物語でした。
でもプラチナデータも優しい物語だなと感じたし、そういう作者さんなのかなとも思います。
次は舞台化する「手紙」が読みたいところです。

 

舞台といえば、このナミヤ雑貨店のことを検索した時に出てきたのですが、舞台化してたんですね! しかもキャラメルボックスで!

www.caramelbox.com

キャラメルボックスはハズレのないとこだと思っているので見てない自分を呪うしか無い。うわー見たかった、キャラメルボックスでこの内容! 悔しい! こうなるから後からハマるのは嫌なんだ……。

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