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日々放置プレイ

読んだ本と見た舞台の感想

誰しも向いている場所がある「入り婿侍商い帖」

読書-歴史小説 読書
入り婿侍商い帖 (1) (新時代小説文庫)

入り婿侍商い帖 (1) (新時代小説文庫)

 

旗本家の次男・角次郎は春米屋の主人・大黒屋善兵衛に見込まれて、婿入りした。米屋の若旦那として商売をはじめると、聞いていた話と大違い。店の経営は芳しくなく、妻は自分と口をきいてくれない。角次郎は店を立て直すべく奮闘するが…。妻と少しずつ心を通わせ、力を合わせて商家を再興していく物語。

うわー面白かった。

米に能力特化の侍が、米屋をもり立てる物語

店の経営は芳しくない店を、なんとかもり立てるまでの話。主人公角次郎は刀の腕はたつし農家にコネもある、更には匂いで米の産地もわかるという米屋になるために生まれてきたようなスーパーハイスペック男。当然侍じゃ何の役にも立たないし、旗本次男坊の時点でどうしようもない。それがきっちり米屋に見込まれ、かわいい嫁ももらい、自分の能力を生かした仕事をするという、なんかあれだな……成功譚というか、そういう……アレ。

嫁との関係性がイイ

角次郎と嫁さんの関係性がすごく好きです。
トラウマ持ちで喋れない嫁さんを、無理に手をつないだり床に引きずり込んだりするわけではなく、触れずに彼女のペースに任せているのすごくいい。好き。良い夫婦だなと思いました。
嫁さんが喋れないから会話もないし、文字を使った会話も一度だけ。それでも角次郎は一人寝のときは嫁さんのことを思ったり、嫁さんも角次郎に対して少しずつだけど心を開いてきたりだとかとても可愛かったです。
ただ、そこまで夫婦として互いを想っているわけではないというか、角次郎も嫁も、相手を家族として大事に見ている部分もあるんじゃないかなーと思うので、今後の二人の進展に期待です。

百姓と商家、商家と町人の関係

今のところ、大黒屋という商家と買い手である町人の間の信頼関係はある。大黒屋ならばそこまで高すぎない値で売ってくれると思って買いに来る町人と、それに対して報いようとする大黒屋というちゃんとした信頼関係がそこには存在している。
けれども、角次郎が買い付けに行った先での百姓たちと大黒屋の信頼は、何もない。
信頼がないから売る必要もない。前回売ってくれたのも角次郎と祖父に対する信頼に過ぎず、大黒屋に対しての信頼ではないから商売となる数では売ってくれない。
最終的には祖父に対する信頼で売ってくれたけれども、そこに信頼はないからだめなのだ。
今後その間の信頼がどうなるかというのが気になります。

それにしても、今までいた場所ではなんの役にも立たない能力を持っていた主人公が、別の場所にいったらその能力のおかげでそこの仕事をもり立てる! コネもあって当然うまくいく。嫁さんは喋れないトラウマ持ちだけど自分のことを思ってくれててかわいい! そして実は強い腕っ節で物事を解決していく! って一体どこのラノベ。いや実際ここまでテンプレラノベだと今はかなり数少ないんじゃないだろうか。
さらりと読めて面白かったです。

ところで、非常に全く何の関係もないのですが、この世で一番美味しいと思っている米はササニシキです。炊きたての新米のあまいふわりとした香り、つぶが立っている米。それをふわっとかき混ぜると、新米の香りが更に広がります。つやつやした米粒ににやにやとしながらご飯茶碗に盛り付けて、何もつけずに食べるのが一番好きです。口の中で古米などとは違う味が広がる。あきたこまちコシヒカリも美味しいとは思うのですが、個人的にはササニシキのさっぱりとした甘さ、美味しさが一番だと思っています。これを旬の脂の乗ったさんまをおかずに食べることの幸せといったら。味噌汁は豆腐とわかめがいいです。ついでにひじきの煮物でもあったらたまりません。

作中料理描写は少ないです。米の描写もほぼ米俵です。しかし、米が食べたくなりました。

<妄想工作所> サンマさん color ブルー

<妄想工作所> サンマさん color ブルー

 
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